ベンチャーキャピタルのセカンダリー取引とは?仕組み・メリット・実務手順を徹底解説

VC×セカンダリー取引を徹底解説!

「VCファンドの満期が迫っているのに、投資先がIPOもM&Aも見通せない」「VC側からセカンダリー取引の打診が来たが、何をどう確認すればよいかわからない」「M&Aとセカンダリーをどう使い分けてVCの出口戦略を描けばよいのか」——こうした悩みを抱えるVC担当者やスタートアップ経営者は、2025年現在、急増しています。

世界では2024年の流動性イベントのおよそ70%がセカンダリー取引によるものと推計されており(Tomasz Tunguz氏推計)、グローバルの未上場株式セカンダリー市場は2025年時点で1,200億ドル(約18.6兆円)規模に迫る勢いです。日本でも2025年5月の改正金融商品取引法施行により、未上場有価証券のセカンダリー取引を促進するための規制緩和が実施され、市場環境が大きく変わりつつあります。

本記事では、ベンチャーキャピタルのセカンダリー取引の基本定義から、種類・メリット・法務税務上の留意点・実務フロー、さらにM&A・アライアンスとの使い分け戦略まで、体系的に解説します。VCファンドマネージャー・スタートアップ創業者・M&Aアドバイザーの方々が「次の一手」を判断するための実践的な情報をまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

1. ベンチャーキャピタルのセカンダリー取引とは?基本定義とプライマリーとの違い

プライマリー取引との定義の違い

ベンチャーキャピタル(VC)のセカンダリー取引を正確に理解するには、まず「プライマリー取引」との対比から入るのが最も分かりやすい方法です。

プライマリー取引とは、スタートアップが新たに株式を発行し、投資家(VCなど)がその株式を引き受けることで資金調達を行う取引です。この場合、払い込まれた資金は企業に直接流入し、事業成長に活用されます。一般的に「資金調達ラウンド」と呼ばれるシード・シリーズA・シリーズBなどがこれにあたります。

これに対し、セカンダリー取引とは、すでに発行済みの株式を保有している既存株主(VCファンド・創業者・役職員・エンジェル投資家など)が、第三者の新規投資家や既存の他株主に対して株式を譲渡する取引です。この場合、取引の対価は株式を売却した既存株主に入り、スタートアップ企業自体には資金は流入しません。つまり、セカンダリー取引はあくまで「株主同士の間で株式の所有権が移転する」取引であり、企業の貸借対照表には原則として影響を与えません。

項目プライマリー取引セカンダリー取引
定義企業が新たに株式を発行して投資家から資金調達を行う取引既に発行済みの株式を既存株主が他の投資家に譲渡する取引
目的企業の事業成長資金の調達既存株主の保有株式の現金化・流動性確保
資金の流れ投資家(買い手)→ 企業投資家(買い手)→ 既存株主(売り手)
株式の流れ企業 → 投資家(買い手)既存株主(売り手)→ 投資家(買い手)
企業への資金流入ありなし(原則として)
代表的な場面資金調達ラウンド(シード〜シリーズD等)ファンド満期時の持分売却、役職員の株式現金化等

VCにおけるセカンダリー取引の位置づけ

VC業界においてセカンダリー取引が特に重要視される背景には、VCファンドの構造的な特性があります。VCファンドは通常、機関投資家や富裕層個人(LP:リミテッド・パートナー)から資金を集めて組成され、一般的に10年程度の運用期限(ファンド満期)が定められています。

ファンド満期を迎えたGP(ゼネラル・パートナー:ファンド運用責任者)は、投資先の株式を売却して現金化し、LPに分配する義務があります。この「フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)」を果たすため、GPは投資先がIPOやM&Aに至っていなくても、セカンダリー取引によって株式を売却せざるを得ない状況に直面することがあります。

こうした事情から、VC業界においてセカンダリー取引は「出口戦略の一形態」として確立した位置づけを持ちます。IPO・M&A(買収)・清算・セカンダリー売却という4つのエグジット手段のうち、近年その重要性が急上昇しているのがセカンダリー取引です。

ポイント
VCファンドには通常10年の満期が設定されているため、投資先がIPO・M&A未達の場合でも、ファンド満期が近づくとGPはセカンダリー取引による株式売却を検討せざるを得ません。各ファンドの「ビンテージ(設立年)」と運用期間を把握しておくことが、経営者・投資家双方にとって重要です。スタートアップ経営者は、主要VCのファンドビンテージを確認し、満期2〜3年前には打診が来る可能性を想定してリスク管理しておくことが望まれます。

セカンダリー取引の基本構造(売り手・買い手・対象物)

セカンダリー取引の基本構造を整理すると、次の3つの主要プレイヤーと対象物で構成されます。売り手となるのは、VCファンド(GP)、エンジェル投資家、事業会社・CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)、スタートアップの創業者・役職員などです。彼らが保有する発行済み株式(普通株式・優先株式・ストックオプション行使後株式など)を売却します。

買い手となるのは、新規VC・PE(プライベートエクイティ)ファンド、機関投資家、クロスオーバー投資家(未上場・上場双方に投資する投資家)、事業会社、個人富裕層などです。対象物は原則として発行済みの株式ですが、取引形態によってはVCファンドへの出資持分(LP持分)そのものが取引対象となることもあります。なお、取引の実行に際しては、発行会社(スタートアップ)による譲渡承認が必要なケースが一般的であり、株主間契約書に定められた先買権・共同売却権等の処理も重要な実務上の論点となります。

2. VCのセカンダリー取引が急増している3つの背景

VCファンドの満期問題:10年サイクルの限界

セカンダリー取引が急増している第一の背景は、VCファンドの「10年サイクル」が現代のスタートアップの成長速度と乖離してきたことにあります。VCファンドは、一般的にLP(出資者)に対して10年程度の運用期限を約束して設立されます。ところが、現代のスタートアップは創業から上場まで、あるいはM&Aによる企業価値実現まで、かつてよりもはるかに長い時間を要するようになりました。

たとえば、1994年設立のAmazonは創業からわずか3年で上場を果たしましたが、2024年時点での世界的なデータによると、スタートアップが創業からエグジットするまでの平均期間はおよそ14年に延長しています(Coral Capital調べ)。これはVCファンドの標準的な運用期限である10年を大幅に超える数字です。その結果、ファンド満期を迎えたGPは、「投資先がまだ成長フェーズにあるにもかかわらず、ファンド期限の都合で株式を売却せざるを得ない」という構造的矛盾に直面します。この解決策として、セカンダリー取引が有力な選択肢となっています。

ポイント
スタートアップの経営者にとって、株主であるVCのファンドが「何年に設立されたか(ビンテージ)」と「あと何年で満期を迎えるか」を把握しておくことは、経営上の重要な情報です。満期が2〜3年後に迫っているVCからセカンダリー取引の申し入れを受ける可能性が高いため、事前にVCの担当者と今後の意向を確認しておくことが望まれます。また、ファンド残存期間の短いVCとは、IPOや戦略的M&AのスケジュールをすりあわせたImmediate Action Planを早めに策定することが双方にとってメリットになります。

IPO・M&Aまでの期間長期化(創業から14年)

第二の背景は、IPO・M&Aというエグジット手段に至るまでの期間が大幅に長期化していることです。1990年代には、高成長スタートアップが創業から数年で上場することは珍しくありませんでした。しかし、2002年の米国サーベンス・オックスリー法制定などによるコンプライアンスコストの増加、プライベートマーケットの資金流入拡大(いわゆる「メガラウンド」の台頭)、そして上場審査基準の高度化が相まって、スタートアップが「より長く非上場のまま」成長するインセンティブが強まっています。

日本でも同様のトレンドが確認されています。東証グロース市場の上場基準の見直しが進む中、以前は3〜5年での早期IPOを志向していたVC側も、より大きな成果を目指して保有期間を延ばす判断をするケースが増えています。一方で、ファンド満期という制約から自由になれるわけではなく、この「長期保有ニーズ」と「満期制約」の矛盾を解決する手段として、セカンダリー取引・GP主導セカンダリーなどが活用されるようになっています。

また、日本のVC生態系特有の問題として「スモールIPO問題」があります。VCの満期制約から、本来ならばまだ未上場のままで急成長すべきスタートアップが、ファンド側の都合で時期尚早なIPOを迫られるケースがあります。セカンダリー市場が整備されれば、VC側はセカンダリー取引による流動性確保が可能となり、スタートアップは最適なタイミングでIPOできる環境が整います。

グローバルセカンダリー市場の成長(1,200億ドル規模)

第三の背景は、グローバルにおける未上場株式セカンダリー市場そのものの急成長です。Industry Ventures(2025年1月)の推計によると、VC・PE領域を含む未上場株式のグローバルセカンダリー市場は、2025年時点で1,200億ドル(約18.6兆円)規模に達する見込みです。また、VC業界の著名アナリストであるトマシュ・タンガズ氏によれば、2024年における世界的な流動性イベントのおよそ70%がセカンダリー取引によるものだったと推計されています。

米国では、Stripe・SpaceX・Databricksなど有名スタートアップが大規模なテンダーオファーを実施し、従業員や初期投資家に流動性を提供するケースが増えています。プラットフォームとしてはForge・EquityZen・Nasdaq Private Marketが年間数十億ドル規模の取引を支えています。日本では2024年、SmartHRがKKR主導で214億円のファイナンスを実施し、大きなセカンダリー取引が伴ったことが注目されました。また、Kepple CapitalがスタートアップVC持分を買い取る国内初の本格的なセカンダリーファンドを立ち上げ、市場整備が進みつつあります。

注意点
グローバルでは活発なセカンダリー市場が形成されている一方、日本では未上場株式の相対取引が中心であり、透明性の高い市場価格や取引プラットフォームの整備はまだ途上です。取引実行時には専門的なアドバイザーのサポートが不可欠であり、適切な株価算定・法務手続き・情報管理の観点から、経験豊富な専門家を選定することが強く推奨されます。2025年の改正金商法施行で環境は改善されつつありますが、一足飛びに米国型の流通市場が実現するわけではありません。

3. セカンダリー取引の種類と特徴:ダイレクト・GP主導・LP主導

ダイレクトセカンダリー(テンダーオファー・ブロックトレード)

ダイレクトセカンダリーとは、スタートアップの発行済み株式を直接取引する形態です。株主(創業者・役職員・VCなど)が保有する株式を、他の投資家に直接売却します。さらにダイレクトセカンダリーは「テンダーオファー」と「ブロックトレード」の2形態に分類されます。

テンダーオファーとは、スタートアップ(発行体)が主体となり、一定期間内に事前設定した価格で既存株主(主に役職員)に株式売却機会を提供する流動化プログラムです。米国ではStripe・SpaceX・ByteDance・Databricksなどが定期的に実施しており、特に役職員のモチベーション維持・リテンション向上に有効とされています。日本では現時点でまだ普及段階ですが、改正金商法の施行を受けて今後の拡大が見込まれます。発行体が主導して売却価格・数量・参加資格を決定する点が特徴です。

ブロックトレードとは、大口株主(VCや事業会社等)が自ら買い手を探し、保有株式を一括で売却する取引です。売り手が買い手の探索・条件交渉を主導し、そのコストも売り手が負担します。テンダーオファーと比較して柔軟性が高く、売り手のニーズに応じた条件設定が可能ですが、他の株主が保有する先買権(ROFR)や共同売却権(タグアロング)への対応が必要となります。

GP主導セカンダリー:ファンド継続という選択肢

GP主導セカンダリーとは、VCファンドのGP(ゼネラル・パートナー:無限責任組合員)が主導するセカンダリー取引です。GPが既存ファンドから特定の投資先の株式を切り出し、新たに設立した「継続ファンド(コンティニュエーション・ファンド)」に移管する取引形態として広く知られています。これは、ファンド満期が近づいたGPが「まだ大きな成長可能性がある投資先を手放したくない」という場合に有効な手段です。既存ファンドのLPは、継続ファンドへの参加(株式保有継続)または株式売却による現金化(清算)のいずれかを選択できます。

注意点
GP主導セカンダリーはGPが売り手(既存ファンド)と買い手(継続ファンド)の双方の立場に立つ構造上、利益相反リスクが内在します。グローバルでは独立した委員会の設置や第三者機関によるバリュエーション(フェアネス・オピニオンの取得)が実務慣行となっています。実行を検討する場合は、法務・会計の専門家を交えたガバナンス設計が必須であり、売り手・買い手双方のLP投資家から適切な同意を取得する手続きも欠かせません。

LP主導セカンダリー:ファンド持分の流動化

LP主導セカンダリーとは、VCファンドのLP(リミテッド・パートナー:有限責任組合員)が主導するセカンダリー取引です。LPが保有するファンドへの出資持分(LP持分)の一部または全部を、他の投資家(他のLP等)に売却する形態で、取引対象は投資先スタートアップの株式ではなく、ファンド持分そのものです。

LP投資家が早期に資金を回収したい場合(ポートフォリオのリバランス・流動性ニーズの顕在化)や、当初は投資を決断したファンドへの関与を縮小したい場合などに活用されます。一般に、LP持分はファンドのNAV(純資産価値)に対してディスカウントが適用された価格で取引されることが多く、逆に買い手にとっては「ディスカウント購入によるリターン上乗せ」が期待できる魅力的な投資機会となります。グローバルでは、PE・VC・不動産・インフラ等の広範なアセットクラスのファンド持分でLP主導セカンダリーが活発に取引されています。

3種類の比較表と選択基準

項目ダイレクト(テンダーオファー)ダイレクト(ブロックトレード)GP主導セカンダリーLP主導セカンダリー
主導者企業(発行体)既存株主(大口VC等)ファンドのGPファンドのLP
取引対象企業の発行済み株式企業の発行済み株式企業の発行済み株式ファンド出資持分
主な目的役職員等への流動性提供・インセンティブ強化大口株主の持分現金化満期対応とリターン最大化の両立LPの早期資金回収・ポートフォリオ調整
手続き複雑度中(発行体主導で統制しやすい)中〜高(先買権対応が必要)高(利益相反対応・LP同意取得必要)中(ファンド規約に基づく)
主なメリット役職員のモチベーション維持、透明性の高い価格設定売り手の柔軟な条件設定が可能ファンド満期後も成長企業への投資継続が可能LP側の流動性確保、ディスカウント購入機会
日本での活用発展途上(改正金商法で促進)実務例あり国内事例は少数まだ黎明期

4. セカンダリー取引のメリットと留意点:売り手・買い手・スタートアップの視点から

売り手(既存株主・VCファンド)のメリット

売り手にとって最大のメリットは、未上場株式の流動性確保です。未上場株式は本質的に市場での換金が困難な非流動性資産であり、保有し続けるだけでは帳簿上の含み益が生じても実際の現金化は難しい状況が続きます。セカンダリー取引はこの問題を解決する有力な手段です。

VCファンドにとっては、ファンド満期到来時に「IPOを待てない」状況でも投資回収が可能となり、LPへの適時配当・分配が実現します。また、VCや事業会社にとっては、ポートフォリオのリバランスという観点でもセカンダリー取引は有効です。戦略的シナジーが低下した投資先の持分を売却して資金を解放し、より高いリターンが期待できる新たな投資先に配分することが可能になります。さらに、創業者・役職員にとっては、事業の継続に注力しながら個人的な資産形成の一部を実現できる機会となります。

買い手(新規投資家・PE・機関投資家)のメリット

セカンダリー取引の買い手にとっての最大のメリットは、「成長ステージが進んだ企業に対して、根拠ある評価に基づいた投資ができる」点です。プライマリー投資(アーリーステージ投資)に比べ、すでに事業が軌道に乗り、財務実績・市場ポジション・プロダクトが明確になっている段階での投資となるため、見えにくかったリスクが相当程度可視化されています。

クロスオーバー投資家(未上場・上場両市場に投資する機関投資家)にとっては、IPO前から株主として参画することで、上場後の株価安定・ロックアップ解除後の持続的な株主構成の維持が期待できます。また、LP主導セカンダリーの場合は、NAVディスカウントによるリターン上乗せという独自のメリットもあります。

スタートアップ(発行会社)のメリット

スタートアップにとってセカンダリー取引の最大のメリットは、「時期尚早なIPOやM&Aを回避しながら成長を継続できる」環境が整うことです。ファンド満期が迫ったVCの持分が新たな長期投資家にリプレイスされることで、スタートアップは短期的な株価最大化よりも長期的な事業価値創出に集中できます。

また、創業者・役職員がセカンダリー取引で一部株式を現金化できる環境が整うことで、「未上場でも働く経済的インセンティブが持続する」優秀な人材の確保・定着につながります。これは日本のスタートアップ生態系全体の活性化にもつながる重要なポイントです。

三者それぞれが注意すべきリスクと留意点

売り手の主なリスクは、「適切な価格で売却できるか」という価格リスクです。未上場株式は市場価格が存在しないため、過度に低い価格での売却リスクがあります。また、売却先の選定を誤ると、経営方針と相容れない投資家が株主に加わる可能性もあります。

買い手のリスクは、情報の非対称性です。未上場企業の真の財務状態・事業リスクを外部から完全に把握するのは難しく、デューデリジェンスの質が投資成否を大きく左右します。また、未上場株式は流動性が低いため、想定外に長期保有となるリスクも考慮が必要です。

スタートアップ(発行会社)にとっての主なリスクは、「経営権の安定性」です。望ましくない株主(競合に近い事業会社・短期利益のみを追求するアクティビスト的投資家など)に株式が渡ることは、経営の安定性を損なう可能性があります。投資契約書・株主間契約書に基づく譲渡承認プロセスを適切に活用し、株式の移転先をコントロールすることが不可欠です。

注意点
買い手候補の評判・投資方針・過去の行動パターンについては、事前にしっかりと調査することが重要です。特にスタートアップにとって、セカンダリー取引の譲受人がどのような経営関与スタイルを持つかは、事業の方向性に大きな影響を与えます。単に提示価格が高いからといって買い手を決定するのではなく、長期的な株主としての適性を多面的に評価することが必要です。

5. 2025年改正金融商品取引法がセカンダリー市場に与える影響

改正の背景:非上場有価証券特例仲介等業務の新設

2025年5月、金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律が施行されました。この改正の中核は、未上場有価証券のセカンダリー取引を促進するための新たな業務類型として「非上場有価証券特例仲介等業務」が新設されたことです。

改正以前の日本では、未上場株式のセカンダリー取引は相対取引が中心であり、専門的な仲介業者が関与しにくい構造でした。一方、米国のForgeやEquityZenのような取引プラットフォームが活発に機能している状況と比べ、日本の市場整備は大幅に遅れていました。今回の法改正は、こうした状況を改善し、一定の規制枠組みの中で未上場株式のセカンダリー取引を仲介・促進できる事業者が参入しやすい環境を整備することを目的としています。

ポイント
改正金商法により「非上場有価証券特例仲介等業務」が新設され、一定要件を満たした事業者が未上場株式のセカンダリー仲介業務を行いやすくなりました。これにより、従来は関係者間の相対取引が中心だった日本のセカンダリー市場に、専門的な仲介プレイヤーが参入しやすくなっています。スマートラウンド証券など新規参入事業者の動向を注視することで、今後の取引環境の変化を把握できます。

実務的な変化:何ができるようになったのか

改正金商法の施行による実務上の変化は、主に2点に集約されます。第一は、認定を受けた業者が適格機関投資家等に対して未上場有価証券のセカンダリー取引の仲介を行えるようになったことです。これにより、売り手・買い手のマッチングを専門的に支援する業者の存在感が高まることが期待されます。

第二は、適切な規制枠組みの下で価格形成の透明性が向上することです。これまで情報の非対称性が大きかった未上場株式の取引において、独立した仲介業者が介在することで、売り手・買い手双方にとって公正な取引環境の醸成が期待されます。ただし、法改正があったからといって、未上場株式のセカンダリー取引が上場株式と同様に誰でも自由に参加できる市場になったわけではありません。引き続き適格機関投資家や一定の要件を満たす投資家に取引参加者が限定されるケースが多く、個人投資家が幅広く参加できるような完全な流通市場が即座に形成されるわけではない点に注意が必要です。

規制対応の留意点と今後の展望

改正金商法への対応において留意すべき点は、業務を行う事業者側の登録・資格要件と、取引に付随する情報開示義務です。非上場有価証券特例仲介等業務を行う業者は金融庁への登録が必要であり、適切なコンプライアンス体制の整備が求められます。スタートアップ・VC・投資家の観点からは、改正法が整備した規制環境の中で取引を行うことが、法的リスクの低減につながります。

今後の展望としては、日本においても取引プラットフォームの整備が進み、価格の透明性向上・取引コストの低減・適切な情報開示体制の確立が実現することで、未上場株式のセカンダリー市場が段階的に成熟していくことが期待されます。政策的な支援(スタートアップ育成5カ年計画等との連携も含め)と民間の取り組みが両輪となることで、日本のスタートアップエコシステム全体の底上げにつながるでしょう。

注意点
「非上場有価証券特例仲介等業務」の新設はセカンダリー促進の重要な一歩ですが、すべての未上場株式取引に自動的に適用されるわけではありません。取引スキーム・当事者の属性・取引規模によって適用される規制が異なります。実際に取引を検討する場合は、必ず金融商品取引法に精通した弁護士・証券会社等の専門家に事前相談してください。法改正対応に強い専門家を選ぶことが、コンプライアンスリスク低減の第一歩です。

6. セカンダリー取引の法務・税務上の重要ポイント

株主間契約の確認事項:先買権・共同売却権・譲渡制限

セカンダリー取引を実行する前に、必ず確認しなければならないのが、既存の投資契約書・株主間契約書に定められた各種権利と手続き要件です。先買権(ROFR:Right of First Refusal)とは、特定の株主(多くの場合VCや創業者)が、他の株主が第三者に株式を売却しようとする場合に、その第三者と同等の条件で優先的に株式を買い取る権利です。セカンダリー取引を実行する前に、先買権保有者に対して売却条件を通知し、一定期間(通常30日程度)内に行使するか否かの意思確認を行う必要があります。

共同売却権(タグアロング)とは、ある株主が株式を第三者に売却する際に、他の株主も同じ条件で自己保有株式の一部または全部を売却に参加できる権利です。大口株主がブロックトレードを実施する場合、他の株主からタグアロングの申し出を受けた場合の対応を事前に整理しておく必要があります。また、多くのスタートアップは非公開会社として「譲渡制限」を設けており、株式の譲渡には取締役会または株主総会の承認が必要です(会社法第136条・137条等の規定)。

株価算定と税務リスク:みなし贈与・時価の考え方

セカンダリー取引における最重要の税務論点は、「適切な時価での取引がなされているか」です。個人間の株式売買において、著しく低い価格で譲渡した場合、買い手に対して「みなし贈与」として贈与税が課される可能性があります(相続税法第9条)。一方、著しく高い価格で譲渡した場合には、売り手への所得税(譲渡所得税)が適正価格との差額に対して課される可能性があります。また、法人が関与する場合には法人税・寄付金課税等の論点も浮上します。

未上場株式の「時価」評価には、国税庁の評価基準(財産評価基本通達)に基づく評価方法(純資産価値法・類似業種比準価額等)のほか、DCF法・市場倍率法(マルチプル法)なども用いられます。スタートアップのような急成長企業の場合、将来収益に基づくDCF法が重視されることが多いですが、前提となるキャッシュフロー予測の合理性が問われます。実務上は、独立した株価算定機関や公認会計士・税理士に客観的な株価算定を依頼し、取引価格の合理性を文書化しておくことが強く推奨されます。

ポイント
セカンダリー取引の価格は当事者間の合意で決まりますが、税務上の問題を回避するためには「客観的に合理的な時価」での取引が必要です。公認会計士・税理士等の専門家による独立した株価算定書を取得しておくことで、税務調査時のリスクを大幅に低減できます。特に、M&AとセカンダリーをM&Aとセカンダリーを組み合わせたミックス取引では、プライマリー部分と普通株式(セカンダリー)部分のそれぞれで異なる評価時点・評価手法が求められる場合があり、一層慎重な対応が必要です。

プライマリーとセカンダリーを組み合わせる「ミックス取引」の法務処理

ミックス取引とは、新規VC等の投資家が1回のファイナンスラウンドにおいて、プライマリー取引(新株引受け)とセカンダリー取引(既存株主からの株式取得)を同時に実行する取引形態です。新規投資家が優先株式(プライマリー)と普通株式(セカンダリー)を組み合わせて取得することで、実質的な「加重平均取得株価」を引き下げ、投資採算性を高めることができます。また、表面上の株価を維持しながら実質的なファイナンスを実現できるため、ダウンラウンドを避けて既存株主の希薄化防止条項(アンチダイリューション)の発動を回避できる可能性があります。

法務処理上の留意点は、プライマリーとセカンダリーという性格が異なる2つの取引を同時並行で進めることの複雑性にあります。先買権・共同売却権の処理、取締役会・株主総会の承認、プライマリー取引の投資契約書の締結と株式発行手続き、セカンダリーに関する株式譲渡契約書の締結と譲渡承認手続きを、互いに条件付けながら同時進行で管理するプロジェクトマネジメント能力が不可欠です。経験豊富なM&Aアドバイザーと弁護士チームによるサポートが実務上の成否を大きく左右します。

7. スタートアップ経営者が知るべき自社への影響と対応策

VCからセカンダリー取引の打診が来たときの対応フロー

VCや既存株主からセカンダリー取引の申し入れが来た際、スタートアップ経営者は以下の手順で冷静に対応することが求められます。まず行うべきことは、当該VC・株主の保有する投資契約書・株主間契約書を確認し、先買権の通知が必要か、取締役会の承認が必要か、他の株主への通知義務があるかなどを洗い出すことです。次に、セカンダリー取引の想定規模(売却株式数・価格帯)を把握し、自社の資本政策・株主構成に与える影響をシミュレーションします。その上で、弁護士・M&Aアドバイザーに相談し、法的手続きの整理と望ましい対応策の立案を依頼します。

【スタートアップ経営者向け:セカンダリー打診時の確認チェックリスト】

  • 投資契約書・株主間契約書の該当条項(先買権・共同売却権・譲渡承認手続き等)を確認したか
  • 売却希望株主のファンドビンテージ・満期時期を把握しているか
  • 想定売却規模が経営権に影響する水準か確認したか
  • 想定買い手候補とその事業・投資方針を調査したか
  • 弁護士・M&Aアドバイザーに初期相談を行ったか
  • 独立した株価算定の実施を検討したか
  • 他の株主(特にリード投資家)への情報共有の範囲・タイミングを決めたか
  • プライマリー取引(追加資金調達)との同時実行(ミックス取引)の可否を検討したか

経営権を守るための株主構成管理

セカンダリー取引において最も重要な経営上の課題は、「誰に株式が渡るか」をコントロールすることです。非公開会社である未上場スタートアップは、会社法および投資契約・株主間契約の規定に基づいて、株式譲渡の承認・不承認を会社として判断できます(会社法第136条以下)。反社会的勢力や競合他社など自社経営に悪影響を与えるリスクのある相手への株式移転は、会社として承認しない方針を明確にしておくことが重要です。先買権の行使を通じて経営者自身や信頼できる投資家が株式を買い取る選択肢も、事前に検討しておく価値があります。

セカンダリーをポジティブに活用する「望ましい株主構成」への移行

セカンダリー取引を単なる「既存株主の出口」として受け身で捉えるのではなく、スタートアップ経営者が積極的に活用することで、理想的な株主構成へのリセットが可能になります。特に有効なのは、「クロスオーバー投資家の株主化」です。未上場・上場双方に投資するクロスオーバー投資家を株主に迎えることで、IPO後の株価安定・機関投資家層の継続的な株主関与が期待できます。また、成熟期に向けた「上場に向けた株主構成の整理」という観点でも、セカンダリー取引は有効です。短期リターンを追求するVCが退場し、事業理解の深い長期投資家に入れ替わることで、IPOロードショーでの投資家説明や上場後のIR活動が円滑になります。

8. VCの出口戦略:M&A・アライアンス・IPO・セカンダリーの使い分け

4つの出口戦略の比較:メリット・デメリット・向いている状況

VCファンドおよびスタートアップにとって、出口戦略(エグジット戦略)は4つの主要な選択肢があります。それぞれの特徴を把握し、自社の状況に応じた最適な手段を選択・組み合わせることが、企業価値最大化につながります。

出口戦略メリットデメリット・課題向いている状況
IPO(新規株式公開)高いバリュエーション期待、流動性の完全な実現、知名度・信用力の向上上場コスト・コンプライアンス負担大、市場環境に依存、準備に時間がかかる事業モデルが確立し、収益性・成長性が市場に認知されている段階
M&A(買収)迅速な現金化、シナジー実現、上場コスト不要企業文化・経営方針の統合リスク(PMI)、バリュエーションが買い手の評価に依存戦略的パートナーとのシナジーが明確、または早期エグジットを優先する場合
アライアンス・資本業務提携IPO・M&Aを経ずに事業資源・販路・技術を獲得、経営の独立性を維持しやすい流動性確保には至らない場合が多い、相手先の戦略変更リスク事業拡大のための戦略的協力関係を構築したい段階、完全売却は検討していない場合
セカンダリー取引VCファンド満期対応、株主構成の最適化、役職員インセンティブ維持市場価格が不透明、法務・税務手続きが複雑、適切な買い手の探索が必要IPO・M&A前の流動性確保、ファンド満期対応、望ましい株主へのリプレイス

ファンドのステージ・投資先の成長フェーズに応じた選択

出口戦略の選択は、VCファンドの残存期間と投資先スタートアップの成長フェーズの掛け合わせで考えるのが実践的です。ファンド残存期間が5年以上ある場合は、IPOまたは大型M&Aを目指した事業支援を継続しながら、必要に応じてミックス取引でポートフォリオの一部整理を図るアプローチが有効です。ファンド残存期間が2〜3年を切っており、かつ投資先のIPO・M&Aが短期では見通せない場合、GP主導セカンダリーまたはブロックトレードによる部分的な株式売却が現実的な選択肢となります。

ポイント
ファンド残存期間に応じた出口戦略の目安:残存5年超→IPO・M&A本格支援 / 残存3〜5年→ミックス取引・部分セカンダリーを組み合わせ / 残存1〜3年→GP主導セカンダリーまたはブロックトレードによる流動化優先 / 残存1年以下→早急に専門家を交えた出口戦略の再設計が必要。このロードマップを投資先スタートアップ経営者と早期に共有しておくことで、双方に最適な結果を生みやすくなります。

M&Aとセカンダリーを組み合わせた出口戦略設計

M&AとセカンダリーはVCの出口戦略として補完的に活用できます。特に、「部分的セカンダリー売却→M&Aによる完全売却」というステップ型出口戦略は、リスク管理と価値実現の観点から注目されています。第一段階としてVCがセカンダリー取引で一部の保有株式を売却し、元本回収を確保しつつファンドの流動性を高めます。第二段階では、残りの株式をM&Aによる完全売却で最大化するという設計です。

また、戦略的パートナーとの「アライアンス→資本業務提携→M&A」という段階的な関係深化の過程でセカンダリー取引を活用することも有効です。資本業務提携で事業シナジーを確認した後、既存VCの持分を戦略パートナーがセカンダリーで取得し、その後の完全M&Aへの布石とするアプローチです。Camphor Treeでは、VCセカンダリー取引支援とM&A・アライアンスアドバイザリーの両面から、このような複合的な出口戦略の設計・実行を支援しています。セカンダリー取引とM&Aのどちらか一方に限定せず、状況に応じて最適な手段を組み合わせることが、企業価値最大化の近道です。

9. セカンダリー取引の実務フローと専門家の役割

セカンダリー取引の標準的な6ステップ

セカンダリー取引を実際に進める際の標準的な流れを6つのステップで整理します。

【STEP 1】事前調査・条件整理:売り手は自己保有株式の種類・数量・取得価格を確認し、投資契約書・株主間契約書で先買権・共同売却権・譲渡制限等の制約事項を精査します。これは取引の可否・手続き要件を判断する最初の関門です。

【STEP 2】独立した株価算定:公認会計士・税理士等の専門家に依頼し、対象株式の客観的な時価算定を実施します。算定書は取引価格の妥当性の証拠となり、税務上のリスク低減にも直結します。

【STEP 3】買い手候補のスクリーニング:売り手・発行会社が連携して、望ましい買い手候補をリストアップし、アプローチします。発行会社の経営方針・事業戦略と合致する投資家を選定することが重要です。秘密保持契約(NDA)を締結した上で、事業計画・財務情報を開示します。

【STEP 4】先買権・共同売却権の処理:先買権保有者への通知と権利行使確認期間(通常30日程度)を経て、権利不行使または放棄の合意を取り付けます。共同売却権保有者への通知も忘れずに行います。

【STEP 5】契約締結・発行会社の譲渡承認:株式売買契約書の締結後、発行会社の取締役会(または定款の定めに従った機関)による株式譲渡承認手続きを経て、株主名簿の書き換えを実施します。

【STEP 6】クロージング・事後対応:代金決済・株式移転の完了後、株主登録の更新・通知を行います。必要に応じて株主間契約書の当事者変更等の手続きも行います。

ステップ主な作業関与する専門家
STEP 1 事前調査・条件整理投資契約書・株主間契約書確認、売却可能株式の特定、制約事項の洗い出し弁護士(投資契約レビュー)
STEP 2 株価算定DCF法・マルチプル法等による独立した株価算定書の作成公認会計士・税理士(株価算定)
STEP 3 買い手スクリーニング買い手候補リスト作成、NDA締結、情報開示(事業計画・財務情報)M&Aアドバイザー(FA)、弁護士
STEP 4 先買権等の処理先買権・共同売却権保有者への通知、権利行使確認・放棄合意の取り付け弁護士(通知書・合意書作成)
STEP 5 契約締結・譲渡承認株式売買契約書締結、発行会社による譲渡承認決議(取締役会等)、株主名簿書換え弁護士(契約書作成・チェック)
STEP 6 クロージング・事後対応代金決済、株式移転完了、株主登録更新、株主間契約当事者変更等弁護士、公認会計士・税理士(税務申告)

弁護士・M&Aアドバイザーに依頼すべき局面

セカンダリー取引において、弁護士の関与が必須となるのは、投資契約書・株主間契約書の解釈(先買権・共同売却権の範囲確認)、先買権行使通知書・放棄合意書の作成、株式売買契約書・クロージングドキュメントの作成とリーガルチェック、発行会社の譲渡承認手続き(取締役会議事録等)の設計、そしてミックス取引の場合のプライマリー・セカンダリー両取引の法務ストラクチャリングです。

M&Aアドバイザー(FA)の関与が有効なのは、買い手候補のスクリーニング・マッチング、バリュエーション戦略の立案、取引条件の交渉支援、複数の出口手段(IPO・M&A・セカンダリー)を横断した戦略設計、そしてプロジェクト全体のスケジュール管理です。

アドバイザー選定のポイントと注意点

セカンダリー取引のアドバイザー選定において最も重要なのは、「未上場株式のセカンダリー取引の実務経験を持つかどうか」です。M&A全般の経験があっても、セカンダリー取引特有の法務(先買権処理・投資契約の読み解き方等)・税務(みなし贈与リスクの管理・時価算定の方法論等)・バリュエーション(スタートアップ特有の評価手法)に精通しているかを確認する必要があります。

弁護士については、金融商品取引法・会社法・スタートアップファイナンス(VC投資契約・種類株式設計等)の3分野に知見を持つ専門家が望ましいです。近年、改正金商法対応の観点から金融規制にも精通した弁護士の需要が高まっています。Camphor Treeは弁護士・公認会計士・税理士チームによる一体型のアドバイザリーサービスを提供しており、VC・スタートアップ向けのセカンダリー取引支援に豊富な実績を持ちます。

注意点
アドバイザーが取引の売り手・買い手双方から報酬を得る「双方代理」の状況は、利益相反リスクを生じさせます。セカンダリー取引では、売り手(VC等)から独立した立場で発行会社(スタートアップ)のアドバイスを行うFAを選定するか、または各当事者がそれぞれ独立したアドバイザーを起用する体制が望ましいです。アドバイザーの利益相反状況を事前に確認し、必要に応じてアドバイザリー契約書に守秘義務・利益相反防止条項を明記しましょう。

10. まとめ

本記事では、ベンチャーキャピタルにおけるセカンダリー取引の基本定義から、3種類の取引形態・メリット・法務税務上の留意点・2025年改正金商法の影響・M&Aとの使い分け・実務フローまでを体系的に解説しました。最後に要点を整理します。

  • セカンダリー取引とは、既発行株式を既存株主が第三者に譲渡する取引であり、VCファンドの満期問題・IPO長期化・流動性ニーズを背景に急増している
  • 取引形態はダイレクトセカンダリー(テンダーオファー・ブロックトレード)・GP主導セカンダリー・LP主導セカンダリーの3種類があり、それぞれ主導者・対象物・適した状況が異なる
  • 2025年5月施行の改正金商法(非上場有価証券特例仲介等業務の新設)は日本のセカンダリー市場活性化の重要な制度的転換点であり、今後の市場整備が加速することが見込まれる
  • セカンダリー取引には先買権・共同売却権・株価算定・みなし贈与リスク等の重要な法務・税務上の論点があり、経験豊富な弁護士・公認会計士・M&Aアドバイザーの関与が不可欠である
  • VCの出口戦略はIPO・M&A・アライアンス・セカンダリーを適切に組み合わせることで最適化できる。特に「M&A+セカンダリー組み合わせ戦略」は価値実現とリスク管理の両立に有効である

ベンチャーキャピタルのセカンダリー取引は、スタートアップエコシステムの成熟とともに今後もますます重要性を高めていきます。「次の一手」を考える際には、ぜひ早い段階で専門家への相談をご検討ください。

Camphor Treeでは、VCファンドのセカンダリー取引支援・スタートアップのM&Aアドバイザリー・資本業務提携(アライアンス)支援の実績を持つ弁護士・公認会計士・税理士の専門チームが、案件の初期相談から実行・クロージングまでワンストップでサポートします。セカンダリー取引に関するお悩みやご相談は、お気軽にお問い合わせください。

執筆者

京都大学経済学部在学中、旧司法試験合格。最高裁判所司法研修所を経て弁護士登録(日本弁護士連合会・東京弁護士会)。その後、京都大学経営管理大学院修了(MBA)。
長島大野常松法律事務所を経て独立し、千代田中央法律事務所を設立。独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)では国際化支援アドバイザーとしても活動。上場企業の組織再編、IPO法務DD、スタートアップの資本政策支援、再生型M&Aなど、法務・戦略両面からの総合支援に実績を持つ。