看護小規模多機能型居宅介護の開設要件と指定手続き|新設が難しい5つの関門

看多機の開設要件と指定手続きを整理

看護小規模多機能型居宅介護(看多機)を新しく立ち上げようと考えたとき、人員基準と設備基準を調べて、要件さえ満たせば指定を受けられると思っていないでしょうか。実際には、基準を満たすことは出発点にすぎません。そもそも申請の入口に立てるかどうかが、市町村の判断に委ねられています。

この構造を知らないまま物件を押さえたり人を採用したりすると、指定が下りないまま固定費だけが流出します。

本記事では、①指定権者と参入制限の実像、②法人格・人員・設備の要件、③研修要件という時間の制約、④建物にかかる消防法・建築基準法の規制、⑤公募から開設までのスケジュールと費用、の5点を整理します。新設と譲受のどちらを軸に検討すべきか、判断の土台になるはずです。

目次
目次

1. 基準要件を満たせば開設できるとは限らない

指定権者は市町村長で、基準は市町村の条例で定まります

看多機は地域密着型サービスに位置づけられているため、指定を行うのは都道府県知事ではなく市町村長です。人員・設備・運営の基準も、厚生労働省令である「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第34号)を踏まえたうえで各市町村が条例で定めます。同じ看多機でもA市とB市で求められる水準や運用が異なり得る、ということです。

利用者も原則として事業所所在地の市町村の被保険者に限られ、商圏はひとつの市町村の中で完結します。参入を検討する段階で最初に読むべき資料は、省令ではなく対象市町村の条例と介護保険事業計画です。

多くの市町村が公募で事業者を選定しています

看多機の新設は、事業者が好きなタイミングで申請できるとは限りません。制度上の根拠は介護保険法第78条の13の公募指定です。市町村長は、介護保険事業計画に定める見込量の確保と質の向上のために特に必要があると認めるときは、期間と区域を定めて公募により指定を行うことができるとされています。対象は、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護を除く地域密着型サービスのうち、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護その他厚生労働省令で定めるものです。

もっとも、実務で目にする「公募」の多くは、この公募指定そのものではありません。市町村が事業計画の整備量に沿って、地域医療介護総合確保基金の補助対象となる整備事業者を選定する募集です。いずれにせよ、枠が埋まっていれば基準をすべて満たしていても実質的に参入の機会がありません。その結果は全国の事業所数に表れています。

表1 看護小規模多機能型居宅介護の事業所数の推移

年(各年10月1日)事業所数対前年増減
令和2年(2020年)711―
令和3年(2021年)817+106(+14.9%)
令和4年(2022年)901+84(+10.3%)
令和5年(2023年)994+93(+10.3%)
令和6年(2024年)1,074+80(+8.0%)

出典:厚生労働省「令和6(2024)年 介護サービス施設・事業所調査の概況」参考表をもとに作成

厚生労働省の「令和6(2024)年 介護サービス施設・事業所調査の概況」によれば、看多機は令和6年10月1日時点で1,074事業所です。4年間の純増は363、年平均でも約91事業所にとどまります。同じ期間に訪問看護ステーションが12,393から18,042へ5,649事業所増えたのと比べると、増え方の違いは明らかです。小規模多機能型居宅介護に至っては5,478事業所で、前年より45減っています。創設から10年以上を経てなお全国で1,000事業所規模という水準が、この分野の参入のしにくさを示しています。

法定の「総量規制」の対象ではない点は正確に押さえておきます

一方で、看多機は法律上の総量規制の対象ではありません。市町村介護保険事業計画に必要利用定員総数を定め、それに達したときは指定を拒否できるとされているのは、前述の3サービスです(介護保険法第117条第2項第1号)。看多機は計画上「見込量」として記載されるにとどまります。

したがって、「制度として新規参入が禁止されている」のではなく、「市町村の運用として枠が絞られている」というのが正確な理解です。公募を敷いていない市町村であれば、随時の指定申請を受け付ける余地が残ります。対象市町村を変えて展開できるかを検討するとき、この違いが効いてきます。

ポイント
参入可否を判断する最初の一歩は、対象市町村の介護保険事業計画における整備見込量と、直近の公募実績の確認です。公募要項は市町村のウェブサイトに掲載され、募集数・対象圏域・開設期限・補助金額まで記載されています。過去2〜3年分を並べれば、枠を出しているのか、出しても応募がないのかが読み取れます。応募ゼロが続く圏域は、需要がないのではなく採算が合わないと判断されている可能性を疑う価値があります。

2. 指定を受けるための基本要件(法人格・人員・設備)

申請者は原則法人ですが、看多機には診療所開設者という例外があります

指定地域密着型サービス事業者の指定を受けられる者は、市町村の条例で定められます。原則は法人ですが、看多機については「病床を有する診療所を開設している者」も申請できる取扱いが設けられています。例えば、横須賀市の「指定地域密着型サービスの事業の人員等に関する基準等を定める条例」は、第3条で申請者の要件を「法人又は病床を有する診療所を開設している者(複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護に限る。)に係る指定の申請を行う場合に限る。)」と定めています。有床診療所が病床の一部を看多機の宿泊機能に振り向ける道筋を想定したものです。

この例外は後々まで影響します。運営主体が個人立の診療所であれば、その事業は法人の株式では動かせず、承継やM&Aでは事業譲渡か法人化の検討が必要になります。あわせて押さえたいのが法人形態の分布です。令和6年の調査では、看多機の経営主体は営利法人が49.8%、医療法人が21.0%、社会福祉法人が19.9%です。医療法人・社会福祉法人が4割を占める以上、株式譲渡が使える案件はむしろ限られるという前提で検討を始める必要があります。

人員基準は看護職員の常勤換算2.5以上がボトルネックになります

看多機の人員基準のうち、実務で最も詰まるのは看護職員です。事業所には、保健師・看護師・准看護師を常勤換算で2.5以上配置し、そのうち1人以上は常勤の保健師または看護師である必要があります。日中は、通いサービスに利用者3人につき1以上(常勤換算)、訪問サービスに2以上(常勤換算)を配置し、それぞれ1人以上は看護職員とされています。夜間・深夜は、夜勤1人以上と宿直1人以上が原則です(宿泊サービスの利用者がいない場合で、訪問サービスのための連絡体制を整備しているときは置かないことができます)。

訪問看護ステーションと一体的に運営していれば、訪問看護側の人員基準を満たすことで看多機の看護職員基準も満たせます。開設母体に訪問看護事業者が多いのは偶然ではありません。逆に看護人材を持たない法人がゼロから参入する場合、指定前に常勤看護師を確保して人件費を先行負担することになります。

設備基準は定員と宿泊室の面積が骨格になります

設備面では、登録定員29人以下、通いサービスの利用定員18人以下、宿泊サービスの利用定員9人以下という枠が基本です。居間および食堂は通いサービスの利用定員に応じた広さが求められ、宿泊室は原則として個室で1室あたり7.43平方メートル以上とされています。面積は内法(うちのり)で測るものとされ、壁心での計測は認められません。これに浴室、便所、台所、事務室、相談室などが加わります。

結果として、延床面積で200〜400平方メートル規模の専用建物が前提になります。訪問介護や訪問看護のようにワンルームのテナントで始められる事業ではない、という点が新設のコスト構造を決めています。

表2 看護小規模多機能型居宅介護の指定要件の骨格

区分内容
指定権者市町村長(地域密着型サービス)。基準は市町村の条例で定める
申請者原則は法人。看多機は「病床を有する診療所を開設している者」も可(市町村条例による)
定員登録定員29人以下/通い18人以下/泊まり9人以下
看護職員常勤換算2.5以上。うち1人以上は常勤の保健師または看護師
管理者専らその職務に従事する常勤の者。認知症高齢者の介護に3年以上従事+管理者研修修了、または保健師・看護師(管理上支障がない場合は一定の兼務が可能)
代表者認知症介護の従事経験または保健医療・福祉サービスの経営経験+開設者研修修了、または保健師・看護師
計画作成担当者介護支援専門員であって、小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修を修了した者
宿泊室原則個室、1室7.43平方メートル以上(内法で計測)
消防消防法施行令別表第一(6)項ロに該当する場合はスプリンクラー設備が原則必須
利用者原則として事業所所在市町村の被保険者に限られる

注意点
人員基準・設備基準は市町村の条例で定まります。令和3年の地方分権一括法により、小規模多機能型居宅介護等の利用定員に関する基準は「従うべき基準」から「標準」に見直され、市町村が地域の実情に応じて別の定めを置く余地が広がりました。他市町村の資料や一般的な解説記事を流用せず、必ず対象市町村の条例と指定申請の手引きで確認してください。

医療法人や社会福祉法人など法人形態ごとの制約とスキームの関係については、以下の記事でも詳しく整理していますので、あわせてご覧ください。
訪問看護M&Aの法務上の留意点|実務上問題となる点をスキーム別に解説

3. 見落とされやすい「研修要件」という時間の制約

代表者・管理者・計画作成担当者にそれぞれ研修修了が求められます

看多機は、有資格者を採用するだけでは体制が整いません。代表者・管理者・計画作成担当者の3つのポジションに、それぞれ研修の修了が求められるからです。

代表者は、認知症である者の介護に従事した経験または保健医療サービス・福祉サービスの経営に携わった経験があり、かつ認知症対応型サービス事業開設者研修を修了している者、または保健師・看護師です。管理者は、特別養護老人ホームなどで認知症高齢者の介護に3年以上従事した経験があり認知症対応型サービス事業管理者研修を修了している者、または保健師・看護師とされています。看多機では代表者・管理者のいずれも、保健師・看護師であれば研修の受講が不要とされている点が特徴です。一方、計画作成を担当する介護支援専門員には、資格を問わず小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修の修了が求められます。

研修には受講順序があり、年に数回・定員制です

これらの研修は、いつでも単独で受けられるものではありません。小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修や認知症対応型サービス事業管理者研修は、認知症介護実践者研修(または旧・実務者研修基礎課程)の修了を受講要件とする運用が一般的です。その実践者研修自体が複数日の集合研修で、都道府県または指定都市が年に数回、定員を区切って実施します。

実践者研修を受け、その後に管理者研修または計画作成担当者研修を受けるという順序を踏むと、着手から修了証がそろうまでに半年から1年以上を要することが珍しくありません。年度の研修計画が公表されるのは年度初めであることが多く、計画を見てから動き始めると、すでにその年度の受講枠が埋まっているという事態も起こります。

人が採れても研修が終わらなければ指定申請は進みません

管理者候補や看護師を確保できても、研修修了証がそろわなければ指定申請の要件を満たしません。開設予定日から逆算して研修の開催時期・申込期限・定員を先に押さえ、そこから採用時期を決めるのが現実的な手順です。

ここで、すでに他の地域密着型サービスを運営している法人は研修修了者を社内に抱えており、この制約をほとんど受けません。新規参入組と既存事業者の時間差は、資金力ではなくこの点から生まれます。参入を検討する法人が既存事業所の譲受に目を向ける最初の理由も、多くはここにあります。

注意点
研修の開催予定・回数・定員は都道府県および指定都市ごとに公表され、年度によって変わります。開設スケジュールを引く前に、対象地域の研修実施機関へ年間計画を確認してください。研修が間に合わないという理由だけで、確保した物件の賃料を1年近く空払いする例があります。賃貸借契約を結ぶ前に研修の逆算を済ませておくことが実務上の鉄則です。

研修修了者を含めた人員体制をそのまま引き継ぐ方法として、既存事業所の譲受けという選択肢を以下の記事で解説しています。
看多機M&Aの優位性と留意点|スキーム選択で決まる指定の承継

4. 建物にかかる消防法・建築基準法の規制

看多機は消防法上(6)項ロに区分され、スプリンクラー設備が原則必須です

看多機の建物には、介護保険の設備基準とは別に消防法の規制がかかります。平成27年4月1日施行の改正により、それまで消防法施行令別表第一の(6)項ハに区分されていた小規模多機能型居宅介護事業所や複合型サービス事業所等のうち、避難が困難な要介護者を主として入居・宿泊させるものは(6)項ロに移りました。看多機は宿泊機能を持ち、医療ニーズの高い中重度者を受け入れる性質上、多くの場合(6)項ロに該当します。

(6)項ロに掲げる防火対象物は、従前は延べ面積275平方メートル以上でスプリンクラー設備の設置義務がありましたが、同じ改正により、延べ面積に関係なく設置が必要とされました。火災発生時の延焼を抑制する機能を備える構造を有するものなどは除かれますが、原則は設置義務があると考えてください。加えて、自動火災報知設備はすべての施設に必要とされ、消防機関へ通報する火災報知設備は自動火災報知設備の感知器と連動して起動することが求められます。

用途変更の確認申請と検査済証の有無が転用可否を分けます

建築基準法上、看多機は特殊建築物に当たります。事務所や店舗として建てられた建物を看多機に転用する場合、その部分の床面積が200平方メートルを超えるときは用途変更の確認申請が必要です。

ここで壁になるのが検査済証です。交付されていない建物は、現況が建築基準法に適合していることを別途立証しなければならず、調査費用と時間がかかります。築年数の古い建物では、増改築が繰り返されて確認申請の内容と現況が一致しない例も少なくありません。中古物件を検討する段階で、登記情報とあわせて確認済証・検査済証の有無を必ず確認してください。

注意点
介護保険の指定と、建築基準法・消防法への適合は別の審査です。指定が下りても、後日の消防検査や建築行政からの指摘で改修を求められるリスクは残ります。物件取得や賃貸借契約の前に、建築士と所轄消防署への事前相談を済ませてください。スプリンクラー設備の新設や防火区画の是正が加わると、改修見積りが当初想定を大きく超えます。

居抜き物件が使いにくく、新築・大規模改修が前提になりがちです

消防設備と用途変更の要件を重ねると、既存建物をそのまま使える場面は限られます。宿泊室の個室面積、居間・食堂の広さ、浴室、防火区画といった条件を同時に満たす中古物件はまれで、結局は新築か大規模改修に落ち着きます。市町村の公募要項でも、ショートステイや有料老人ホームなど既存の入所系施設からの転換により整備するものを対象外とする例があります。

物件取得から設計、確認申請、着工、竣工、消防検査まで積み上げると、建物の手当てだけで1年前後は見ておく必要があります。

5. 公募から開設までのスケジュールと費用

長崎市の例では、募集開始から開設期限まで約2年です

具体的な時間感覚をつかむには、実際の公募要項を見るのが早道です。長崎市の「小規模多機能型居宅介護事業者・看護小規模多機能型居宅介護事業者の募集」では、第9期介護保険事業計画に基づき、募集数1事業所、対象を市内全20の日常生活圏域として募集が行われました。募集期間は令和8年2月20日から同年7月31日まで、開設時期は原則として令和9年5月1日から令和10年3月31日の間とされています。

募集開始から開設可能時期の始まりまでで約15か月、開設期限までなら約25か月です。しかもこれは公募が出ている前提の話で、枠が出るのを待つ期間は含まれていません。既存事業所を譲り受ければ、この2年前後がまるごと不要になります。新設と譲受で最も大きな差が出るのは、金額ではなく時間です。

補助金は出ますが、財産処分制限がセットでついてきます

整備には地域医療介護総合確保基金を財源とする補助があります。長崎市の例では、施設整備費補助が1事業所あたり41,500千円の範囲内、開設準備経費補助が宿泊定員1人あたり1,036千円の範囲内で、いずれも県が定める額とされています。宿泊定員9人なら単純合計で50,824千円、およそ5,082万円です。

ただし、補助金を受けて整備した施設には処分制限期間が設定されます。期間内に譲渡・交換・貸付け・目的外使用をする場合は交付者の承認が必要で、補助金の返還が生じることもあります。M&Aでは、交付要綱と交付決定条件の確認が避けて通れない論点になります。

開設後も登録者が埋まるまで赤字が続きます

看多機の報酬は、登録者数に応じた月定額が基本です。登録定員29人に対して登録者が10人台にとどまれば、人員基準を満たすための人件費は先に発生しているため、収支は容易に赤字化します。

新設では、居宅介護支援事業所や病院の退院支援部門からの紹介ルートが確立するまでに時間がかかり、登録者が計画水準に達するまで1年から2年を要することもあります。この立ち上げ期間のキャッシュアウトは、すでに登録者と紹介ルートを持つ事業所を譲り受ける場合には発生しません。

注意点
補助金を受けて整備された事業所を譲り受ける場合、株式譲渡であれば形式的に建物の所有者は変わりませんが、実質的な支配の移転を処分とみなす運用をする自治体もあります。デューデリジェンスでは、交付要綱・交付決定通知・処分制限期間・承認手続の要否を早い段階で洗い出してください。判明が遅れるとクロージング直前にスケジュールが崩れます。

ゼロから立ち上げる場合の期間と費用を金額に換算して比較する考え方は、以下の記事でも取り上げていますので、参考になさってください。
再構築コスト法(再調達原価法)とは|M&Aでの計算方法と使われる場面を実例で解説

6. まとめ:新設か既存事業所の譲受けか

本記事の要点は次のとおりです。

  • 指定権者は市町村長で、人員・設備・運営の基準は市町村の条例で定まります。まず読むべきは、省令や一般的な解説ではなく対象市町村の条例と介護保険事業計画です。
  • 介護保険法第78条の13に公募指定の制度があり、実務上も整備量に沿って年1事業所といった単位で事業者を募集する市町村が目立ちます。枠がなければ実質的に参入できません。
  • 一方、必要利用定員総数による法定の総量規制の対象は認知症対応型共同生活介護など3サービスで、看多機は含まれません。制度上の禁止ではなく運用上の絞り込みです。
  • 申請者は原則法人ですが、看多機には「病床を有する診療所を開設している者」という例外があります。経営主体は医療法人と社会福祉法人で4割を占めます。
  • 看護職員の常勤換算2.5以上という人員基準と、代表者・管理者・計画作成担当者の研修要件が、新規参入の時間的なボトルネックになります。
  • 宿泊機能ゆえ多くの場合は消防法施行令別表第一(6)項ロに該当し、スプリンクラー設備が原則必須です。用途変更の確認申請と検査済証の有無も転用可否を左右します。
  • 公募開始から開設まで2年前後を要し、補助金には処分制限が伴い、開設後も登録者が埋まるまで赤字が続きます。事業所数が年平均90程度しか増えないのはこの積み重ねの結果です。

看多機の新設は、基準を満たせるかという技術論の前に、市町村の枠に入れるかという入口の問題があります。枠に入れても、研修・建物・立ち上げ期間という時間の壁が残ります。この構造が、既存事業所の譲受というルートに合理性を与えています。別記事で、看多機のM&Aで実際に問題になる論点を整理します。

弁護士・税理士を含むチームで医療・介護分野のM&Aと事業承継を支援しています。対象市町村の指定要件や公募状況の確認、譲受候補の選定を含め、初期的な検討段階からご相談いただけます。なお、本記事は令和8年9月時点の制度を前提としています。個別の取扱いは市町村の条例・運用により異なるため、実行にあたっては対象市町村への確認が必要となります。

執筆者

弁護士 佐藤聖喜

京都大学経済学部在学中、旧司法試験合格。最高裁判所司法研修所を経て弁護士登録(日本弁護士連合会・東京弁護士会)。その後、京都大学経営管理大学院修了(MBA)。 長島大野常松法律事務所を経て独立し、千代田中央法律事務所を設立。独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)では国際化支援アドバイザーとしても活動。上場企業の組織再編、IPO法務DD、スタートアップの資本政策支援、再生型M&Aなど、法務・戦略両面からの総合支援に実績を持つ。

横山圭介

東京都立大学(旧首都大学東京)数理科学専攻卒業後、国家公務員として札幌国税局に入庁。札幌国税局資産課税課、札幌東税務署資産課税部門等を経て、国税庁企画課へ出向。 国税庁・国税局・税務署において、主に資産税事務に従事し、相続・譲渡・贈与など資産課税の実務を第一線で担う。官公庁・金融機関等との折衝・情報連携の実務経験も有する。