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会社売却の節税対策で損しない方法|経営者が知るべき税の仕組みと実践術

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会社売却を検討している経営者の方にとって、 税金は避けて通れない大きな問題です。 「会社を売却したいけど、税金でほとんど持っていかれるのでは…?」 そんな不安を感じていませんか?

この記事では、会社売却における節税対策に焦点を当て、 経営者が知っておくべき税金の仕組みから、 具体的な節税方法、 そして注意点までを徹底解説します。 株式譲渡と事業譲渡の違い、 売却タイミングによる税負担の変化、 5,000万円売却時のシミュレーションなど、 具体的な情報を通して、 あなたの会社売却を成功に導くための知識を提供します。

この記事を読めば、 節税対策を講じることで、 手元に残る金額を最大化し、 より良い将来設計を実現できるはずです。

下記の動画では、M&A売却時の税金と節税について解説されています。

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目次

会社売却と税金の基本|なぜ節税対策が重要なのか

会社売却は、経営者にとって大きな転換期であり、その成功を左右する重要な要素の一つが「税金」です。「会社を売却したお金、ほとんど税金で消えちゃった…」なんてことにならないように、まずは税金の基本と節税対策の重要性をしっかり理解しておきましょう。

会社売却でかかる税金の種類とは?【株式譲渡・事業譲渡で異なる】

会社売却の方法には大きく分けて「株式譲渡」「事業譲渡」の2つがあり、それぞれで課税される税金の種類が異なります。どの税金が、誰に、いくらかかるのかを把握することが、節税対策の第一歩です。

下記の表に、売却方法ごとの税金についてまとめました。

売却方法課税対象主な税金の種類納税者
株式譲渡株式の譲渡益所得税、住民税
(譲渡所得として20.315%課税)
株主(個人または法人)
事業譲渡譲渡益、消費税法人税、消費税、登録免許税会社(法人)

上記のような税金の他に、オーナー個人に対する課税が発生する可能性もあります。

なお、税制は毎年見直しが行われており、2025年時点では以下のような変更が加えられています。

2025年時点で変更された税制

・中小企業向けの事業承継税制の適用期限延長
・所得税の累進課税強化による譲渡所得への影響 など

特に株式譲渡や役員退職金の扱いに関しては、最新の税制に沿った節税対策が必要となります。詳細は専門家と確認しながら進めましょう。

節税しないとどうなる?手元に残る金額の違い

「税金は仕方ない…」と諦めてしまうのは、非常にもったいないことです。適切な節税対策を行うことで、手元に残る金額は大きく変わります。

例えば、売却益が5,000万円の場合、節税対策の有無で数百万円~数千万円も手取り額が変わるケースも珍しくありません!

節税対策を全く行わなかった場合、売却益の約20%(所得税、登録免許税、住民税)が税金として引かれてしまいます。しかし、節税対策をしっかりと行えば、この税率を下げたり、課税対象となる金額を減らしたりすることが可能です。

株式譲渡と事業譲渡で異なる税制の仕組み

先述の通り、株式譲渡と事業譲渡では税金の種類が異なりますが、税制の仕組みも大きく異なります。それぞれの特徴を理解し、自社の状況に合った売却方法を選択することが、節税の第一歩となります。

下記の表に、売却方法ごとの税制の仕組みについてまとめました。

項目株式譲渡事業譲渡
課税対象株式の譲渡益譲渡資産(事業)
税率所得税など約20%(一律)法人税率(利益額による)、消費税率10%
節税対策株価対策、退職金活用など損金算入、消費税還付など
手続き比較的簡易煩雑(個別の資産評価が必要)

株式譲渡は、税率が一律であるため、節税対策としては株価を下げる対策などが有効です。一方、事業譲渡は、個別の資産を評価する必要があるため手続きは煩雑ですが、損金算入や消費税還付など、活用できる節税対策も多く存在します。

このように、会社売却における税金は複雑で、対策を講じることで手元に残る金額が大きく変わります。ここからは、具体的な節税対策について詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

会社売却前に実行できる節税対策一覧【実践ケース別】

会社売却を成功させるためには、事前の節税対策が不可欠です。ここでは、株式譲渡と事業譲渡、それぞれのケースで有効な節税対策を具体的にご紹介します。

また、自社株の評価額を下げる方法や、退職金・役員報酬を活用した節税など、多角的なアプローチで節税効果を最大化する方法を解説します。

下記の動画では、会社売却をした際に絶対すべき節税方法について解説されています。

①株式譲渡での節税対策

株式譲渡は、会社を売却する最も一般的な方法の一つです。

株式譲渡における節税対策としては、主に以下のものが挙げられます。

株式譲渡における節税対策

役員退職金の活用
 長年会社に貢献してきた役員に対して、退職金を支給することで、個人の所得税を抑えることができます。ただし、税務署から過大と判断されないように、適切な金額を設定する必要があります。
第三者割当増資
 売却前に第三者割当増資を実施することで、株式の評価額を下げることができます。これにより、譲渡所得を減らし、税負担を軽減することが可能です。

これらの対策は、専門家である税理士と相談しながら進めることをおすすめします。

②事業譲渡での節税対策

事業譲渡は、会社の一部または全部の事業を譲渡する方法です。

事業譲渡における節税対策としては、以下のものが考えられます。

事業譲渡における節税対策

譲渡資産の選定
 譲渡する資産を慎重に選定することで、税負担を調整することができます。例えば、含み損のある資産を優先的に譲渡することで、譲渡益を圧縮することが可能です。
消費税の還付
 課税事業者である場合、事業譲渡によって消費税が発生する可能性があります。しかし、事前に適切な対策を講じることで、消費税の還付を受けることができる場合があります。

③自社株の評価額を下げるための事前対策

自社株の評価額は、株式譲渡における税負担に大きく影響します。そのため、売却前に自社株の評価額を下げるための対策を講じることが重要です。

具体的には、以下の方法が考えられます。

売却前に自社株の評価額を下げるための対策

利益圧縮
 役員報酬の増額や、経費の計上などにより、利益を圧縮することで、自社株の評価額を下げることができます。
含み損の活用
 遊休資産の売却や、不良債権の処理などにより、含み損を顕在化させることで、自社株の評価額を下げることができます。

④持株会社・ホールディングス活用のスキーム

持株会社・ホールディングスを活用することで、会社売却における税負担を軽減できる場合があります。

具体的には、以下のメリットが考えられます。

持株会社・ホールディングスを活用するメリット

株式の分散
 持株会社を設立し、個人が保有する株式を持株会社に移転することで、相続税対策になります。
事業再編の柔軟性
 持株会社体制にすることで、グループ全体の事業再編を柔軟に行うことができます。

⑤退職金・役員報酬を活用した節税

退職金や役員報酬は、適切な金額を設定することで、節税効果を生み出すことができます。退職金は「退職所得」として扱われ、給与よりも税負担が軽くなります。

退職金が給与より税負担が軽くなるのは、以下のような理由があります。

退職金が給与より税負担が軽くなる理由

大きな控除額
 退職所得控除は勤続年数に応じて増加し、給与所得控除(上限約195万円)よりもはるかに大きい
・2分の1課税
 控除後の金額をさらに半分にして課税するため、実質的な課税対象額と税率が下がる
・一時所得への配慮
 長年の勤務対価が一度に支払われる性質を考慮した税制上の優遇処置として軽減される

退職金3,000万円と給与支給の税額比較例

退職金として3,000万円を受け取る場合

退職金は「退職所得控除」を適用できるため、税負担が軽減されます。

・退職所得控除額:勤続20年の場合 = 800万円 + (70万円 × 20年) = 2,200万円
・課税対象額:(3,000万円 – 2,200万円) ÷ 2 = 400万円
・所得税(復興特別所得税含む):約76万円
・住民税:約40万円

合計税額:約116万円

手取り額:約2,884万円

給与として3,000万円を受け取る場合

給与所得は「給与所得控除」が適用されますが、退職所得控除より控除額が小さくなります。

・給与所得控除額:約195万円
・課税対象額:3,000万円 – 195万円 = 2,805万円
・所得税(復興特別所得税含む):約818万円
・住民税:約280万円

合計税額:約1,098万円

手取り額:約1,902万円

差額

税額の差額:約982万円

手取り額の差額:約982万円

また節税対策に退職金や役員報酬を活用する際には、以下のポイントを意識しましょう。

ポイント

節税対策に退職金や役員報酬を活用する際のポイント

退職金の適正額

退職金の金額は、勤続年数や報酬額、業績などを考慮して、合理的に金額を設定する必要があります。

役員報酬の調整

売却益が見込まれる年度に、役員報酬を調整することで、個人の所得税を抑えることができます。

過大な退職金設定は税務リスクを伴うため、専門家との事前設計が不可欠です。

下記の動画では、役員退職金を活用して手残りを増やす方法が解説されています。

⑥その他の税制活用例(事業承継税制など)

会社売却においては、事業承継税制などの税制優遇措置を活用することで、税負担を大幅に軽減できる場合があります。これらの税制は、適用要件が厳格に定められているため、事前に専門家と相談し、要件を満たしているか確認することが重要です。

下記の表に、その他の税制やその活用例についてまとめました。

税制・手法詳細活用例効果
事業承継税制後継者が自社株を相続・贈与で取得する際、一定条件下で納税猶予・免除オーナーが親族に株式を贈与し、贈与税の納税を猶予最大で贈与税・相続税の100%が猶予され、実質非課税での承継が可能
小規模宅地等の特例事業用資産の相続税評価額を最大80%減額会社所有の事業用不動産の相続時に適用相続税負担を大幅軽減(最大80%評価減)
経営承継円滑化法後継者が株式取得のための資金を低利で調達可能後継者が低利融資を受けて株式を買取りオーナーの現金化と後継者の資金負担軽減を両立
M&A・株式譲渡益の計画株式譲渡の時期・方法を工夫複数年に分けて株式譲渡を実施各年の譲渡益を抑え、累進課税の影響を緩和

これらの節税対策は、専門的な知識が必要となるため、税理士などの専門家と連携しながら、慎重に進めることをおすすめします。安易な節税スキームは、税務調査のリスクを高める可能性があるため、注意が必要です。

会社売却のタイミングと節税効果の関係性

会社売却による税負担は、売却のタイミングによって大きく変わることがあります。
たとえば、決算期の前後や退職金の支給時期を調整するだけで、手取り額に大きな差が出るケースもあります。売却時期を少しずらすだけで、節税につながることもあるのです。

ここでは、タイミングが税金に与える具体的な影響と、節税を意識したスケジュール設計のポイントを解説します。

決算期前後の売却で税負担は変わる?

会社売却を検討する際、決算期前後のタイミングは税負担に影響を与える可能性があります。なぜなら、売却益は会社の利益として計上され、法人税等の課税対象となるためです。

決算期末に近づくほど、その期の利益が確定に近づき、売却益が加算されることで税負担が増加する可能性があります。

一方、決算期明けに売却することで、売却益を翌期の利益として計上し、納税時期を先延ばしにすることができます。ただし、翌期の業績によっては、税負担がさらに増加する可能性もあるため、慎重な検討が必要です。

また、決算期末に売却する場合でも、事前に適切な節税対策を講じることで、税負担を軽減することが可能です。例えば、役員退職金の支給や、含み損のある資産の売却などを検討することで、利益を圧縮し、税負担を抑えることができます。

役員退任と退職金支給の「年度内調整」の重要性

会社売却に伴い、役員が退任する場合、退職金の支給は重要な節税対策となります。役員退職金は、一定の金額まで税法上の優遇措置が設けられており、損金として計上することで、法人税を圧縮することができます。

特に、M&Aにおける株式譲渡では、株式譲渡代金の一部をオーナー社長の役員退職金に充当するスキームが有効です。

しかし、退職金の支給額は、役員の在任期間や功績によって適切に算定する必要があります。過大な退職金は、税務署から不相当に高額であると判断され、損金として認められない可能性もあります。役員退職金は株主総会の決議によって決定されるため、決議のタイミングも重要です。業績悪化などの理由で、実際に退職金を受け取れなくなる場合もあります。

そのため、税理士などの専門家と相談し、適切な退職金額を算定し、年度内に支給できるよう調整することが重要です。

また、退職金の支給時期についても、個々の状況に合わせて検討する必要があります。

例えば、売却益が発生する年度に退職金を支給することで、相殺効果を狙うことも可能です。

保有期間による譲渡所得の課税影響はある?

株式譲渡による譲渡所得は、株式の保有期間によって課税率が異なります。

株式の保有期間によって変わる課税率

・株式の保有期間が5年を超える場合
 →一般的に長期譲渡所得として、税率が軽減される
・保有期間が5年以内の場合
 →短期譲渡所得として、税率が高くなる傾向がある

ただし、税制は改正される可能性があるため、最新の情報を確認することが重要です。また、個々の状況によって、有利な売却時期は異なるため、専門家と相談し、最適なタイミングを見極めることが大切です。

節税効果を最大化するための「売却スケジュール設計」

会社売却における節税効果を最大化するためには、売却スケジュールを綿密に設計することが不可欠です。決算期、役員退任、株式保有期間などを考慮し、総合的に判断する必要があります。

例えば、以下のようなポイントを考慮して、スケジュールを設計します。

売却スケジュール設計のポイント詳細
決算期の調整売却益の計上時期を調整し、法人税の負担を分散させる
役員退職金の活用適切な退職金額を算定し、損金算入による節税効果を最大化する
株式保有期間の考慮長期譲渡所得の適用要件を満たすよう、保有期間を調整する
税制優遇措置の活用事業承継税制など、利用可能な税制優遇措置を検討する

これらの要素を総合的に考慮し、最適な売却スケジュールを設計することで、節税効果を最大化し、手元に残る資金を増やすことができます。そのためにも、税理士やM&Aアドバイザーなどの専門家と連携し、計画的に進めることが重要です。

5,000万円で会社を売却した場合の節税効果をシミュレーションで比較

会社売却における税金の影響を具体的にイメージするために、5,000万円で会社を売却した場合のシミュレーションを見ていきましょう。節税対策の有無で、手元に残る金額がどれだけ変わるのか、具体的な数字で比較することで、節税対策の重要性を実感していただけるはずです。

節税対策なしだとどうなる?税負担モデル(売却額5,000万円の場合)

まずは、節税対策を全く行わなかった場合を想定してみましょう。

ここでは、株式譲渡で5,000万円の売却益が出たと仮定します。株式譲渡所得には、一律で20.315%(所得税・登録免許税・住民税)の税金がかかります。

項目金額
売却額5,000万円
株式譲渡所得5,000万円
税金(20.315%)1,015.75万円
手残金額3,984.25万円

このように、節税対策をしなければ、5,000万円の売却益に対して約1,015万円もの税金がかかり、手元に残るのは3,984.25万円となります。

節税対策を実施したケース|退職金+株価対策を組み合わせた場合の試算

次に、節税対策を実施した場合を考えてみましょう。ここでは、代表的な節税対策である「退職金の活用」と「株価対策」を組み合わせたケースを想定します。

「退職金の活用」と「株価対策」の節税効果

退職金の活用
 役員退職金を支給することで、個人の所得分散を図り、税率を抑えます。
・株価対策
 事前に株価を下げておくことで、譲渡所得を減らし、税負担を軽減します。

具体的な数字で、節税効果を見てみましょう。

項目金額
売却額5,000万円
役員退職金2,000万円
株式譲渡所得3,000万円
退職所得にかかる税金(概算)200万円
株式譲渡所得にかかる税金(20.315%)609.45万円
手残金額4,190.55万円

このケースでは、退職金と株価対策を組み合わせることで、税金を約406万円削減し、手残金額を206.3万円増やすことができました。

節税によって「いくら手元に残るか?」金額の差を具体的に比較

節税対策の有無で、手元に残る金額がどれだけ違うのか、一目でわかるように比較してみましょう。

項目節税対策なし節税対策あり差額
売却額5,000万円5,000万円
税金1,015.75万円809.45万円406.3万円
手残金額3,984.25万円4,190.55万円206.3万円

このように、節税対策を行うことで、手元に残る金額が大きく変わることがわかります。

シミュレーションの前提条件|譲渡形態・役員構成・報酬などの影響

ここでは、まずはシミュレーションの前提条件について確認しましょう。

項目詳細
想定数値売却額:5000万円
税率株式譲渡のため、20.315%
評価方法類似業種比準方式
税理士との連携ポイント・退職金設定の最適化
・株価対策の実施
・決算期含めた譲渡時期の調整
・M&A契約書の税務チェック など

上記のシミュレーションは、あくまで一例であり、実際の税負担は、以下の要素によって大きく変動します。

実際の税負担を変動させる要素

譲渡形態
 株式譲渡か事業譲渡かによって、課税される税金の種類や税率が異なります。
役員構成
 役員の人数や役職、報酬額によって、退職金の金額や税効果が変わります。
株価
 株価が高いほど、譲渡所得が増え、税負担も大きくなります。
その他
 会社の規模、業種、財務状況なども税負担に影響を与える可能性があります。

会社売却における節税対策は、個々の状況に合わせて検討する必要があります。専門家である税理士やM&Aアドバイザーに相談し、最適な節税プランを立てることをおすすめします。

会社売却前の節税対策で失敗しないための注意点

会社売却における節税対策は、手元に残る資金を最大化するために非常に重要です。しかし、安易な節税スキームに飛びつくと、税務調査のリスクを高めたり、意図せず脱税行為に該当してしまう可能性もあります。

ここでは、会社売却前の節税対策で失敗しないための注意点を解説します。

下記の動画では、脱税や粉飾決算などの不正が発覚した際の対処法について解説されています。

安易な節税スキームは税務調査のリスクに

「税金を払いたくない」という気持ちは誰でも同じですが、安易な節税スキームには注意が必要です。

税務署は、不自然な取引や過度な節税に対して目を光らせています。特に、会社売却のような大きな取引では、税務調査が行われる可能性が高まります。税務調査で否認されると、追徴課税が発生するだけでなく、加算税や延滞税も課せられることになります。

税務調査で問題になりやすい節税スキームは、以下の通りです。

税務調査で問題になりやすい節税スキーム

・過大な役員退職金
・実態のない持株会社スキーム
・不適切な損失繰越や架空経費の計上 など

税務リスクを避けるためには、税法の専門家である税理士に相談し、合法的な範囲で節税対策を行うことが重要です。税理士は、税務調査のリスクを考慮した上で、最適な節税プランを提案してくれます。

脱税と節税の線引きとは?

節税と脱税は、一見似ているようで全く異なります。節税は、税法で認められた範囲内で税負担を軽減する行為です。一方、脱税は、意図的に事実を隠蔽したり、虚偽の申告をしたりして税金を免れる違法行為です。

脱税と判断される行為の例としては、以下のようなものが挙げられます。

脱税と判断させる行為例

・売上を隠す
・架空の経費を計上する
・資産を隠蔽する
・二重帳簿を作成する など

これらの行為は、税務調査で発覚した場合、重加算税や刑事罰が科せられる可能性があります。節税を行う際には、税法のルールを遵守し、不明な点があれば必ず税理士に確認するようにしましょう。

事例から学ぶ「やってはいけない節税対策」

過去の事例から、会社売却時に「やってはいけない節税対策」を学びましょう。

事例1:役員報酬の不当な増額

売却直前に役員報酬を大幅に増額し、退職金を上乗せすることで、譲渡所得を圧縮しようとするケースが見られます。

しかし、税務署は、不相当に高額な役員報酬を「不相当に高額な役員給与」とみなし、損金不算入とする場合があります。役員報酬は、役員の職務内容や会社の業績などを考慮して、適正な金額を設定する必要があります。

事例2:架空のコンサルティング契約

売却先企業との間で、実体のないコンサルティング契約を結び、コンサルティング料を支払うことで、利益を圧縮しようとするケースです。

しかし、税務署は、コンサルティング契約の実態を厳しく調査し、架空の契約と判断した場合、損金不算入とするだけでなく、加算税を課すこともあります。コンサルティング契約を結ぶ場合には、契約内容を明確にし、実際にコンサルティングサービスを提供してもらう必要があります。

事例3:売却価格の不当な操作

売却価格を意図的に低く設定し、譲渡所得を圧縮しようとするケースです。

特に、親族間での売却関係会社への売却の場合には、税務署は売却価格の妥当性を厳しくチェックします。売却価格は、客観的な評価に基づいて決定する必要があります。

これらの事例からわかるように、安易な節税スキームは、税務調査のリスクを高めるだけでなく、脱税とみなされる可能性もあります。会社売却時の節税対策は、税理士と相談しながら、慎重に進めるようにしましょう。M&A仲介会社に相談することも有効です。

会社売却の節税対策は、「弊社」にお任せください!

弊社MA Frontierでは、スタートアップ型・成長戦略型・事業承継型など、さまざまな目的に応じて最適なM&Aの戦略をご提案しています。

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会社売却の節税対策に関するよくある質問

Q.節税を考えるなら、株式譲渡と事業譲渡のどちらが有利ですか?

A. 株式譲渡と事業譲渡、どちらが節税上有利かは、一概には言えません。

一般的には株式譲渡のほうがシンプルかつ節税しやすい傾向がありますが、会社の状況や買い手側の意向によって最適なスキームは変わります。事業譲渡には消費税がかかるケースもあるため、慎重な判断が必要です。

どちらのスキームを選択するかは、M&Aの専門家や税理士に相談し、自社の状況に合わせたシミュレーションを行うことをおすすめします。

下記の動画では、株式譲渡と事業譲渡の違いを節税メリットの観点から解説されています。

Q.会社を売却すると、個人にも税金がかかるのですか?

A. はい、会社売却の方法によっては、個人にも税金がかかります。

売却によって得た対価が会社(法人)ではなく、個人株主に入る場合、譲渡所得として個人に課税されます。株式譲渡益に対しては分離課税(所得税15%+住民税5%=20.315%)が原則です。

一方、法人に対して売却代金が入るケース(事業譲渡など)では、法人税が課税され、個人は課税対象外となります。ただし、売却代金が会社に入り、その後、役員報酬や退職金として個人に支払われる場合には、所得税がかかります。

Q.会社売却時の税金に、控除される項目や制度はありますか?

A. はい、会社売却時の税金には、一定の控除項目や税制上の優遇措置が存在します。

株式譲渡の場合、取得費(株式を購入した際の費用)譲渡費用(仲介手数料など)を譲渡所得から控除することができます。節税対策として退職金支給を行う場合は、「退職所得控除」が適用され、所得金額の圧縮が可能です。

また、一定の条件下で「繰越欠損金との相殺」「特別控除制度」などが活用できる場合もあります。控除可否はスキームや個別の財務内容によるため、専門家との確認が不可欠です。

Q.合同会社を売却する場合、税金や節税方法は株式会社とどう違いますか?

A. 合同会社と株式会社では、税金の計算方法や節税方法にいくつかの違いがあります。

税金の基本的な扱いとして、合同会社も持分譲渡により譲渡益課税(所得税・住民税)が課され、仕組みは株式会社の株式譲渡とほぼ同様です。

ただし、節税面では以下のような違い・注意点があります。

合同会社と株式会社の節税面での違い・注意点

1.評価方法の違いによる節税の影響
合同会社は非公開性が高く、持分評価がやや曖昧になる傾向あり
→税務上問題ない範囲で、売却金額を合理的に下げやすい

2.配当の概念がなく、利益還元の仕方が違う
合同会社は配当ではなく、業績連動型の報酬設計が可能
→節税のための利益圧縮に柔軟に対応しやすい

3.退職金の活用には慎重な設計が必要
合同会社も役員退職金は設定できるが、議事録の整備や支給理由の妥当性がより重要視される
→株式会社より制度整備が緩い分、税務リスクには注意

4.スキーム構築において自由度が高い一方で専門性が必要
合同会社は柔軟性が高いぶん、節税スキームの設計次第で大きく差が出る
→M&Aや税務に精通した専門家の関与が特に重要

Q.会社売却による税金は、いつ・どうやって申告すればいいですか?

A. 会社売却によって発生した税金の申告時期と方法は、売却方法によって異なります。

下記の表に、売却方法ごとの申告時期と方法についてまとめました。

売却方法申告時期申告方法
株式譲渡株式を譲渡した年の翌年の2月16日から3月15日まで確定申告書に必要事項を記入し、譲渡所得の計算書や売買契約書などの必要書類を添付して税務署に提出
事業譲渡事業を譲渡した年度終了日の翌日から2ヶ月以内税務署への確定申告、もしくはe-Taxを利用した電子申告も可能

Q.節税対策を依頼する場合、税理士やM&A仲介会社の費用はどれくらいかかりますか?

A. 節税対策を税理士やM&A仲介会社に依頼する場合の費用は、依頼する内容や会社の規模、専門家によって大きく異なります。

下記に、節税対策の依頼先ごとの費用感についてまとめました。

節税対策の依頼先ごとの費用感

・税理士
 着手金+成果報酬or顧問料型(例:数十万~)
・仲介会社
 M&A成約報酬に節税支援が含まれるケースもある
 (例:レーマン方式で売却額の5%など)

税理士と仲介会社どちらに依頼するにしても、どれだけ節税できるかによって費用対効果が変わります。無料相談で対応してくれる専門家もいますので、まずは気軽に相談してみましょう。

Q.会社売却の節税について税理士に相談するベストなタイミングや必要な準備はありますか?

A. 会社売却の節税について税理士に相談するベストなタイミングは、M&Aの検討を始めた初期段階です。

下記に、税理士に相談するベストなタイミングや必要な準備についてまとめました。

Success

税理士に相談するベストなタイミングや必要な準備

1.相談すべきタイミングは「売却前」、できれば1年以上前からが理想
スキームや退職金設計など、早期にしか実行できない対策が多いため、売却の検討段階での相談でも全く問題なし
2.M&Aに強い税理士を選ぶのが重要
通常の税務顧問とは視点が異なるため、経験・実績のある専門家を推奨
3.相談時に準備しておくとよい資料
・直近3~5年分の決算書(BS・PL・株主構成)
・株式の保有状況・株価評価に関する情報
・売却予定の時期・想定金額・スキーム(株式or事業譲渡)
・自社の将来計画や代表の退任予定など
4.事前準備があることで、税理士からの提案の質が高まる
資料が揃っていれば、節税スキーム設計やシミュレーションがより具体的に進む

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