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【2025年版】後継者がいない会社はどこに相談するべき?相談後の選択肢も解説!

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この会社、自分の代で終わってしまうのだろうか…

と後継者不在に悩む経営者の方、少なくないのではないでしょうか?

長年、情熱を注ぎ込み、育ててきた会社。だからこそ、その未来を真剣に考えてしまいますよね。誰に相談すれば良いのか、相談した後にはどんな選択肢があるのか、不安でいっぱいの方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、後継者がいない会社がどこに相談すべきか、M&A仲介会社から商工会議所、弁護士まで、具体的な相談先を網羅的に解説します。さらに、相談後に検討できる4つの選択肢(親族内承継、従業員承継、M&A、廃業)についても詳しく説明し、後継者を見つけやすくするための6つのポイントもご紹介します。

この記事を通して、会社の未来への道筋を見つけるお手伝いができれば幸いです。

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引用:全国「後継者不在率」動向調査(2024年)|帝国データバンク

・後継者不在率・・・52.1%

この数値は調査開始以降で過去最低ではあるものの、改善ペースは鈍化傾向にある。

後継者がいない会社はどこに相談するべき?

後継者がいない会社はどこに相談するべき?

後継者がいない会社が相談すべき機関について、以下の7つに分けて解説します。

  • M&A仲介会社
  • 事業承継ネットワーク
  • 中小企業診断士や経営コンサルタント
  • 商工会議所・商工会
  • 日本政策金融公庫(JFC)
  • 税理士
  • 弁護士

これらの機関や専門家は、それぞれ異なる役割を持っており、会社の状況やニーズに応じて適切な相談先を選ぶことが重要です。

M&A仲介会社

メリットデメリット
事業の譲渡に関するノウハウを持っており、買い手のネットワークを活用できる手数料や月額報酬などが発生するため、金銭的負担がかかる

M&A仲介会社は、会社の売却や合併の際に仲介を行う企業です。後継者がいない場合、事業を売却することが選択肢の一つなので、M&A仲介会社に相談してみましょう。

M&A仲介会社では、後継者がいない企業に対して会社の売却やM&Aに関するアドバイス、買い手企業の紹介、交渉支援などのサポートをしてくれます。これにより、企業は事業をスムーズに譲渡でき、経営者自身も引退後に安定した生活を送ることができます。

M&A仲介会社の強みは、業界ごとの専門知識や買収希望企業とのネットワークを活用して、最適なマッチングを図れる点です。

また交渉や契約書の作成など、複雑なプロセスもサポートしてくれます。特に後継者がいない中小企業にとっては、経営資源や人脈が不足しているケースが多々あります。そのため専門家に任せることでリスクを減らし、適正価格での取引を実現できる可能性が高まります。

事業承継ネットワーク

メリットデメリット
事業承継に特化した専門的な支援を受けられる利用者側(後継者のいない企業)が積極的に支援を受けるために動く必要がある

事業承継ネットワークや専門機関が提供する相談サービスを利用することもできます。これらは企業と後継者候補を結びつける役割を果たし、後継者問題を解決するために必要な支援を総合的に行っています。

多くのネットワークは、後継者がいない企業が後継者を見つけるための支援を行っており、全国規模で運営されているものもあります。事業承継ネットワークでは、事業承継プランの設計や後継者候補のマッチング、事業承継の成功事例の紹介などのサービスが一般的です。

このようなネットワークを利用することで、特定の業界に特化した後継者候補と出会える可能性が高まり、経営者としての負担を軽減しながら、円滑な事業承継を進めることができます。

おすすめの相談先

東京都 事業承継・引継ぎ支援センター

神奈川県 事業承継・引継ぎ支援センター

大阪府 事業承継・引継ぎ支援センター

それぞれの企業がある地域ごとの事業承継ネットワークを利用してみてください。

中小企業診断士や経営コンサルタント

メリットデメリット
専門知識を持ったプロによるアドバイスを受けられる支援を受けるには、相応の費用が必要になる

中小企業診断士や経営コンサルタントは、経営全般に関するアドバイスや事業承継に関する専門的なアドバイスをしてくれます。事業承継の計画や後継者選定、経営資源の整理、M&Aの進め方などをアドバイスし最適な事業承継プランを提案してくれるでしょう。

また経営コンサルタントは財務戦略や企業の価値向上にも強みがあり、M&Aを検討する場合でも、譲渡価格を適正に評価するための助言をしてくれる場合があります。事業承継を円滑に進めるための総合的なサポートが期待できるため、後継者問題に関する複雑な課題に取り組む際には非常に有用です。

商工会議所・商工会

メリットデメリット
・地元の支援を受けられることが多い
・地域での信頼関係を築きやすい
・本格的な支援を受けるためには、商工会議所や商工会への加入が必要
・加入には入会費や年会費などコストがかかる

商工会議所や商工会は、中小企業の支援を行っている団体で、後継者問題や事業承継に関する相談を受け付けています。各地で事業承継に特化したセミナーや相談会も実施していることがあります。特に地方の企業にとって地域の商工会議所や商工会は、地元の事業承継に関するリソースを活用できる貴重な相談先です。

商工会議所や商工会は、後継者を紹介するプログラムや事業承継セミナーを実施していることもあります。また地域の中小企業に特化した支援を行っており、ローカルな市場に精通しているため、地域密着型の事業承継に関するアドバイスを得ることができます。

おすすめの相談先

徳島商工会議所

札幌商工会議所

兵庫県商工会連合会

商工会議所や商工会は各地域に存在しているので、企業の所在地ごとで相談先を探しましょう。

Information

商工会議所や商工会については、下記の動画も参考にしてみてください。

日本政策金融公庫(JFC)

メリットデメリット
事業承継を支援するための公的な金融制度を利用できる審査に時間がかかる場合がある

日本政策金融公庫(JFC)は、中小企業の融資や経営相談を行っている政府系金融機関です。事業承継に関する融資や後継者がいない場合の資金調達に関する相談をすることができます。

後継者が決まらない場合、M&Aや事業譲渡に関連する資金調達が必要になることがありますが、JFCではそのようなニーズに対応した融資プログラムを提供しています。

特に事業承継の際には税務や金融面での問題が発生することがあるため、JFCに相談することで、適切な融資制度を利用して事業承継を進められるでしょう。

おすすめの相談先

Information

日本政策金融公庫について詳しく知りたい方は、ぜひこちらのサイトや動画もご覧ください。

参照:https://mirasapo-plus.go.jp/infomation/26497/

税理士

メリットデメリット
・税務面での問題解決ができる
・資産や事業の引き継ぎに関する最適化が可能
依頼する税理士によっては、高額な費用を請求される場合がある

税理士は、税務や相続に詳しい専門家であり、事業承継時の税金面でのアドバイスを提供します。事業承継に伴う税金や相続問題の整理、後継者がいない場合の最適な方法について相談できます。事業承継には贈与税や譲渡所得税など、さまざまな税務問題が絡むため、税理士は非常に重要な役割を果たすでしょう。

また税理士は会社の財務状況を精査し、適切な承継方法(株式譲渡や事業譲渡など)を提案することができます。税制を活用した負担軽減策を検討するために、事業承継を進める前に税理士への相談は必須です。

弁護士

メリットデメリット
法的な視点から最適な方法を提案してもらえる相談料や着手金、報酬金に費用がかかる

弁護士は、事業承継の際に発生する契約書の作成や法的アドバイスを提供する専門家です。事業承継では、譲渡契約書やM&A契約書の作成が必要となるため、法的に問題がないように進めるためには弁護士のサポートが不可欠でしょう。

特に、M&Aや事業譲渡に関連する法的手続きは複雑であり、適切な契約条件や合意事項を盛り込むことが重要です。他にも相続問題への対応や後継者問題へのアドバイスなど法的な支援を幅広く行ってくれます。

後継者がいない会社が相談後にできる4つの選択肢

後継者がいない会社が相談後にできる4つの選択肢

後継者がいない会社が取るべき4つの選択肢について、各選択肢のメリット・デメリットを踏まえて詳しく説明します。この情報は、M&Aや事業承継を検討している経営者が最適な判断をするための参考となるでしょう。

  1. 親族内承継(子や親族に継がせる)
  2. 従業員承継(役員や社員に譲る)
  3. M&A(第三者に売却)
  4. 廃業(会社をたたむ)

① 親族内承継(子や親族に継がせる)

親族内承継は、家族の中で後継者を育て、会社の経営を引き継ぐ方法です。特に、家業を次世代に引き継ぎたいという強い意志がある場合に選ばれることが多い選択肢です。

下記の親族内承継における主なメリット・デメリットをぜひ参考にしてみてください。

メリットデメリット
・会社の文化や経営方針を維持しやすい
・取引先や従業員が安心しやすい
・親族に経営能力や意欲がない場合、会社が衰退するリスクがある
・後継者を巡って、親族内で対立や争いが生じるリスクがある

親族内承継は、経営者としての意志や親族の状況により、成功する場合と失敗する場合があります。承継をスムーズに進めるためには、事前に親族間でしっかりとした合意を形成することが重要です。

② 従業員承継(役員や社員に譲る)

従業員承継は、会社の経営権を役員や社員に譲る方法です。親族に後継者がいない場合、社内の有望な人材に経営を任せることが選択肢となります。

従業員承継の主なメリット・デメリットは、以下の通りです。

メリットデメリット
・事業を熟知している人が引き継ぐため、スムーズな運営が可能
・社内の信頼関係が維持されやすい
・従業員に買収資金がない場合が多く、資金調達が必要
・経営スキルが不足している可能性がある

従業員承継は、会社の文化や事業に対する理解が深い従業員に引き継がれるため、安定した運営が可能ですが、経営者としてのビジョンや経営スキルを持つ人材を見つけることが重要です。

③M&A(第三者に売却)

M&A(合併・買収)は、第三者に会社を売却する方法です。後継者がいない企業が最も選びやすい選択肢のひとつです。M&Aを通じて、企業は経営の移行をスムーズに行うことができます。

M&Aを行う主なメリット・デメリットは、以下の通りです。

メリットデメリット
・後継者がいなくても会社を存続させられる
・売却益を得られるため、創業者がリタイア資金を確保できる
・買い手が見つかるまで時間がかかる場合がある
・売却後、従業員の雇用や会社の方針が変わるリスクがある

M&Aは、後継者がいない企業にとって非常に効果的な解決策ですが、事前に十分な準備と慎重な交渉が必要です。専門家のサポートを受けることが成功のカギとなります。

④廃業(会社をたたむ)

廃業は、最終的に事業を終了し、会社を解散する方法です。後継者が見つからず、M&Aや親族内承継が難しい場合、廃業が選ばれることもあります。

廃業するメリット・デメリットは、以下の通りです。

メリットデメリット
・会社の清算ができるため、経営者が負担を背負わずに済む
・自ら廃業することで、従業員への退職金や再就職支援を行える
・取引先や従業員に少なからず影響が出る
・廃業コスト(解雇費用・清算手続きなど)が発生する

廃業は最終的な手段として選ばれることが多く、企業の将来性や社会的影響を考慮した慎重な判断が求められます。

後継者を見つけやすくする6つのポイント

後継者を見つけやすくする6つのポイント

後継者がいない会社は、売れづらいケース があります。例えば、赤字続き・負債が多い・オーナー依存が強い などの会社は、買い手がつきにくいです。

しかし、以下のポイントを意識すれば、M&Aの成功確率を上げられるでしょう。

  • 財務を整理し、黒字化を目指す
  • オーナー依存を減らし、仕組み化する
  • 既存の顧客・従業員の維持を約束する
  • 買い手にとってのメリットを整理する
  • 売却の専門家(M&A仲介)を活用する
  • 事業承継補助を活用する

① 財務を整理し、黒字化を目指す

買い手にとって、財務状況は企業価値を判断する上で最も重要な要素の一つです。赤字経営や債務超過の状態では、魅力的な買収候補になりにくくなります。今は赤字でも、黒字化の道筋を示せば売れる可能性があるので、改善計画を立てておきましょう。

まずは、財務状況の改善に努め、黒字化を目指しましょう。そのためには、コスト削減や売上増加のための戦略を立て、実行することが重要です。

黒字化を目指すための具体的なポイントは、以下の通りです。

Success

・無駄な経費を削減し、利益を出せる状態にする
・過剰な借入金を圧縮し、財務の健全性を高める
・売上の安定性をアピールする(継続的な取引先がある など)

② オーナー依存を減らし、仕組み化する

多くの企業では、経営者の経験や人脈に大きく依存しているケースが多いです。「社長がいなくなったら会社が回らない」と思われると、買い手は不安になります。業務が属人化していないことを示せれば、買収のハードルが下がる ため、事前に体制を整えましょう。

そこで、経営の仕組み化が重要になります。仕組み化を図る具体的なポイントは、以下の通りです。

Success

・経営者個人に依存しない業務フローを作る
・ノウハウをマニュアル化し、誰でも運営できる状態にする
・幹部や従業員が主体的に動ける体制を整える

これにより、後継者にとっての負担も軽減され、事業承継がスムーズに進みます。

③ 既存の顧客・従業員の維持を約束する

事業承継において、既存の顧客と従業員の維持は非常に重要です。顧客離れや従業員の流出は、買い手に不安を与えてしまい、企業価値の低下に直結します。

そのため、取引先との関係を引き継げる、従業員も残る という状況を作ることで、買収リスクが低い会社と判断されやすくなります。

事業継承後も顧客や従業員との関係を維持するためのポイントは、以下の通りです。

Success

・買収後も主要取引先との関係を維持できるように交渉する
・従業員の離職リスクを下げるため、買い手と信頼関係を築く
・引継ぎ期間(半年~1年)を設け、スムーズな移行をサポートする

④ 買い手にとってのメリットを整理する

事業承継は、買い手にとってメリットがあるからこそ成立します。単に「会社を売る」のではなく、「買い手にとって魅力的な投資案件」として見せることが重要 です。事前にプレゼン資料(企業概要・財務情報・成長戦略)を作っておく と、交渉がスムーズになるでしょう。

買い手に会社の魅力を伝えるためのポイントは以下の通りです。プレゼン資料を作成する際に、ぜひ参考にしてみてください。

Success

・自社の強み(立地・ブランド力・技術・安定した売上など)を明確に伝える
・業界の成長性や将来性をデータで示す
・「買収すればすぐに利益が出る」と思わせる資料を準備する

⑤ 売却の専門家(M&A仲介)を活用する

自分で買い手を探すのは大変なので、M&Aプラットフォームや仲介会社を活用するのが有効 です。企業価値の評価から買い手候補の探索、交渉、契約締結まで、事業承継のプロセス全体をサポートしてくれます。専門家の力を借りることで、より有利な条件で事業承継を進められるでしょう。

特に、TRANBI(トランビ)BATONZ(バトンズ) などのM&Aサイトを使うと、中小企業でも買い手が見つかりやすくなります。

M&A仲介を利用する際には、以下のようなポイントを意識してみてください。

Success

・M&A仲介会社に相談し、適切な買い手を見つけてもらう
・市場価格を把握し、適正な売却価格を設定する
・交渉・契約手続きをスムーズに進める

⑥事業承継補助を活用する

事業承継補助金とは、中小企業の事業承継(M&Aや親族内承継)を支援する補助金制度 です。M&Aで会社を売却する際、買い手の負担を減らせるため、「補助金を活用すれば買収後のリスクが減る」 とアピールすることで、売却の成功率を高められます。

制度の内容や申請方法については、商工会議所や税理士などの専門家に相談するのがおすすめです。

事業承継補助を活用するメリットは、主に以下の3つです。M&Aを検討する際に、ぜひ参考にしてみてください。

Success

① M&Aにかかる費用の一部を補助
・M&A仲介手数料やデューデリジェンス費用が補助対象になる場合もあり、買い手にとって「コストが抑えられるM&A案件」と印象づけられる
② 事業引継ぎ後の成長投資に活用できる
・買収後の設備投資・IT導入・広告費・人材採用費 などに活用できる
・「補助金を活用すれば、事業拡大や新規事業の立ち上げができる」と買い手に魅力を伝えられる
③ 従業員の雇用維持・研修支援もカバー
・事業承継時の人材育成・スキル研修費用を補助できる
・買収後も従業員の離職リスクを抑えられる

こちらもチェック!

事業承継補助の詳細に関しては、以下のサイトを参考にしてみてください。

参照:事業承継・引継ぎ補助金

これらのポイントを参考に、後継者を見つけやすくするための準備を進めましょう。早めの対策が、会社の未来を左右します。

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