会社売却を検討しているけれど、 「一体どれくらいの費用がかかるんだろう…？」 そんな不安をお持ちではありませんか？ 会社売却には、仲介手数料や税金など、様々な費用が発生します。

この記事では、会社売却にかかる費用を早見表で分かりやすくまとめ、 仲介会社に依頼する場合と自身で売却する場合の費用内訳を徹底解説します。 さらに、費用を安く抑えるための具体的な方法や、 よくある疑問にもQ&A形式でお答えしますので、ぜひ最後までお読みください。

費用項目	自分で売却する場合	仲介会社に依頼する場合
着手金	不要	50万円〜300万円
成功報酬	不要	売却金額の3%〜10%
デューデリジェンス費用	不要（必要に応じて専門家に依頼）	100万円〜500万円
弁護士費用	100万円〜300万円	100万円〜300万円
税理士費用	50万円〜200万円	50万円〜200万円
税金	売却金額の20.315%〜55%	売却金額の20.315%〜55%
その他の費用	契約書作成費用など（個別ケース）	PMI費用、アーンアウト契約費用など（個別ケース）

会社売却にかかる費用をまとめました【早見表】

会社売却を検討する際、まず気になるのが「一体いくらかかるの？」という費用面ですよね。そこで、この記事で解説する様々な費用をまとめた早見表をご用意しました！

費用項目	自分で売却する場合	仲介会社に依頼する場合
着手金	不要	50万円〜300万円
成功報酬	不要	売却金額の3%〜10%
デューデリジェンス費用	不要（必要に応じて専門家に依頼）	100万円〜500万円
弁護士費用	100万円〜300万円	100万円〜300万円
税理士費用	50万円〜200万円	50万円〜200万円
税金	売却金額の20.315%〜55%	売却金額の20.315%〜55%
その他の費用	契約書作成費用など（個別ケース）	PMI費用、アーンアウト契約費用など（個別ケース）

※上記はあくまで目安です。実際の費用は、会社の規模や状況、依頼する仲介会社によって変動します。

この表を見れば、会社売却にかかる費用の全体像がざっくりと把握できます。

ここからは、それぞれの費用について詳しく解説していきます。 費用を抑えるためのヒントも満載なので、ぜひ最後まで読んでみてください！

会社を売却するときにかかる費用：仲介会社に依頼して売却する場合

会社売却を仲介会社に依頼する場合、様々な費用が発生します。それぞれの費用について詳しく見ていきましょう。

費用項目	費用相場	説明
着手金	50万円〜300万円	初期費用として発生する費用。
成功報酬	売却金額の3%〜10%	売却成立時に支払う手数料。
デューデリジェンス費用	100万円〜500万円	財務・法務調査の費用。
弁護士費用	100万円〜300万円	契約書の作成・チェック費用。
税理士費用	50万円〜200万円	税務関連の調査やアドバイス。
税金	売却金額の20.315%〜55%	売却益にかかる税金（法人税、所得税、譲渡所得税など）。
その他の費用	個別ケースによる	アーンアウト契約の設定費用など。

下記の表には、仲介会社に依頼するメリット・デメリットをまとめました。

項目	メリット	デメリット
専門サポート	M&Aのプロフェッショナルによるサポートを受けられる。	成功報酬や着手金など、高額な手数料がかかる。
信頼できる買い手	仲介会社のネットワークを利用して優良な買い手を見つけやすい。	売却が成立するまで長期間かかる場合がある。
契約交渉	専門家が交渉をサポートするため、有利な条件で売却できる可能性が高い。	仲介会社のスキル不足で交渉が不利になることもある。
買い手の調査	デューデリジェンスのサポートを受けられるため、トラブルを避けやすい。	情報漏洩のリスクがある。
法務サポート	弁護士や税理士と連携して法務・税務対策をしっかり行える。	仲介会社が利益重視で交渉を急かす場合がある（利益相反の問題）。
経営統合サポート	PMI（経営統合）のサポートを提供する仲介会社もある。	PMIまで含めたサポートにはさらに費用がかかる。

着手金（初期費用）：50万円〜300万円

着手金は、M&A仲介会社と業務委託契約を締結する際に支払う初期費用です。案件の規模や仲介会社によって異なりますが、相場は50万円～300万円程度です。

着手金は、M&Aが成約しなかった場合でも返金されないのが一般的です。

成功報酬（成約時に発生する費用）：売却金額の3%〜10%

成功報酬は、会社売却が成功した場合に、仲介会社に支払う費用です。売却金額に一定の割合をかけた金額が支払われます。一般的に、売却金額が大きくなるほど、割合は低くなる傾向があります。

成功報酬の計算には、レーマン方式という計算方法が用いられることが多いです。

レーマン方式による成功報酬の計算例

譲渡金額	手数料率
5億円以下の部分	5%
5億円超10億円以下の部分	4%
10億円超50億円以下の部分	3%
50億円超100億円以下の部分	2%
100億円超の部分	1%

デューデリジェンス（DD）費用：100万円〜500万円

デューデリジェンス（DD）とは、買収監査とも呼ばれ、買い手側が売り手側の企業価値やリスクを調査する手続きです。 財務、法務、税務など、様々な側面から調査が行われます。

この調査にかかる費用は、売り手側が負担するのが一般的です。費用の相場は、100万円〜500万円程度です。

弁護士費用（法務デューデリジェンスの費用）：100万円〜300万円

法務デューデリジェンスは、弁護士が中心となって行う法的な調査です。契約書の確認、訴訟リスクの調査、知的財産権の確認などが行われます。 弁護士費用は、調査の範囲や企業の規模によって異なりますが、100万円〜300万円程度が相場です。

税理士費用（税務デューデリジェンスの費用）：50万円〜200万円

税務デューデリジェンスは、税理士が中心となって行う税務に関する調査です。過去の税務申告書の確認、税務調査の状況、税務リスクの評価などが行われます。税理士費用は、調査の範囲や企業の規模によって異なりますが、50万円〜200万円程度が相場です。

税金：売却金額の20.315%〜55%

会社売却によって得た利益には、税金がかかります。

個人の場合、株式譲渡益に対して20.315%の所得税がかかります。法人の場合、法人税等がかかりますが、税率は所得によって異なり、最大で55%程度になる場合があります。

その他の費用

これらの費用は、M&Aの規模や内容によって大きく変動します。事前に仲介会社に見積もりを依頼し、費用の内訳をしっかりと確認しておくことが重要です。

会社を売却するときにかかる費用：自身で売却する場合

仲介会社を介さずに、自社のみで会社売却を進める場合、一見すると費用を大幅に削減できるように思えます。しかし、専門家のサポートなしで売却を進めることは、法務・税務上のリスクを伴うため、注意が必要です。

費用項目	費用相場	説明
弁護士費用	100万円〜300万円	契約書の作成やチェックにかかる費用。
税理士費用	50万円〜200万円	税務関連の調査やアドバイス。
税金	売却金額の20.315%〜55%	譲渡所得税、事業所得税（個人売却の場合）。
その他の費用	個別ケースによる	事務手続きや契約書関連の費用。

下記には、自身で会社を売却する際のメリット・デメリットをまとめました。

項目	メリット	デメリット
費用の安さ	仲介手数料が不要。費用を抑えられる。	高額な仲介手数料を支払わずに済む。
交渉の自由度	自分で交渉内容を自由に決められる。	交渉の負担が大きく、交渉力がないと不利になる可能性がある。
買い手の選定	目的に合った買い手を自由に選べる。	信頼できる買い手を見つけるのが難しい。
情報管理	機密情報を自分で管理できる。	情報漏洩リスクを防ぐ責任が全て自分にかかる。
手間と時間	仲介を介さず、直接交渉できるためシンプル。	調査や契約書の準備など、全て自分で行う必要がある。
売却価格	高額な仲介手数料を避けられるため、売却後の手取りが多くなる場合がある。	価格交渉が難しく、適正価格で売却できないリスクがある。

弁護士費用（法務デューデリジェンスの費用）：100万円〜300万円

法務デューデリジェンス（DD）とは、買い手企業が売り手企業の法務面のリスクを調査するものです。自身で売却を行う場合でも、法務DDへの対応は必須となります。弁護士に依頼することで、契約書の作成や法的なリスクの洗い出しなど、専門的なサポートを受けることができます。一般的に費用相場は、100万～300万円程度が目安となります。

税理士費用（税務デューデリジェンスの費用）：50万円〜200万円

税務デューデリジェンス（DD）とは、買い手企業が売り手企業の税務面のリスクを調査するものです。税務DDでは、過去の税務申告に誤りがないか、税務調査で指摘を受ける可能性はないかなどを調査します。

税理士に依頼することで、税務DDへの適切な対応が可能となり、税務上のリスクを最小限に抑えることができます。税理士費用の相場は、50万円〜200万円程度が目安となります。

税金：売却金額の20.315%〜55%

会社売却によって得た利益には、税金がかかります。税金の種類や税率は、売却方法や株主の状況によって異なります。

例えば、株式譲渡の場合、個人の株主には所得税・復興特別所得税・住民税がかかり、税率は一律20.315%です。法人の株主の場合には、法人税等がかかります。また、事業譲渡の場合には、消費税や法人税等がかかります。法人の場合の税率は、最大55％程度になります。

税金の計算は複雑になるため、税理士に相談することをおすすめします。

売却方法	株主	税金の種類	税率
株式譲渡	個人	所得税・復興特別所得税・住民税	20.315%
株式譲渡	法人	法人税等	法人税率による
事業譲渡	法人	消費税、法人税等	課税所得、消費税率による

その他の費用

これらの費用は、売却規模や状況によって大きく変動します。

自身で会社売却を行う場合、仲介手数料は発生しないものの、専門家への依頼費用や税金などのコストは発生します。

また、売却交渉や契約手続きなどをすべて自社で行う必要があるため、時間と労力がかかります。法務・税務の専門知識がない場合には、予期せぬトラブルに発展する可能性もあります。そのため、費用だけでなく、リスクや手間も考慮して、売却方法を検討することが重要です。

会社売却にかかる費用を安く抑える方法

会社売却には様々な費用が発生しますが、少しでも費用を抑えたいですよね。ここでは、会社売却にかかる費用を安く抑えるための具体的な方法を解説します。

複数の仲介会社から見積もりを取る

会社売却を仲介会社に依頼する場合、仲介手数料は会社によって異なります。複数の仲介会社から見積もりを取り、サービス内容と費用を比較検討することで、より条件の良い仲介会社を選ぶことができます。

複数の会社を比較することで、相場観も養われ、より有利な条件で売却を進めることが可能になります。

契約内容を詳細に確認し、無駄なコストを省く

仲介会社との契約内容は、しっかりと確認することが重要です。

不明な点や納得できない点があれば、必ず仲介会社に質問し、合意した上で契約を結ぶようにしましょう。不要なサービスが含まれていないか確認し、無駄なコストを省くことも重要です。

完全成功報酬型の契約を選ぶことでリスクを減らす

仲介会社との契約には、着手金や中間報酬が発生する場合があります。しかし、完全成功報酬型の契約であれば、売却が成立した場合にのみ報酬が発生するため、初期費用を抑えることができます。また、売却が成立しなかった場合のリスクを減らすことができます。

ただし、完全成功報酬型の契約は、仲介会社が積極的に動いてくれない可能性があるというデメリットも考慮する必要があります。仲介会社の担当者と密にコミュニケーションを取り、進捗状況を共有してもらうようにしましょう。

仲介業者に依頼せず、自社で売却交渉を行う

仲介会社に依頼せず、自社で売却交渉を行うことで、仲介手数料を大幅に削減することができます。ただし、自社で売却交渉を行うには、M&Aに関する専門知識や交渉力が必要となります。また、買い手を探す手間や、契約書の作成など、様々な作業を自分で行う必要があります。

もし、M&Aに関する知識や経験がない場合は、弁護士や税理士などの専門家にアドバイスを求めることをおすすめします。専門家への相談費用は発生しますが、仲介手数料に比べれば安く抑えることができる場合があります。

これらの方法を参考に、会社売却にかかる費用を少しでも安く抑え、納得のいく売却を実現しましょう。

会社売却にかかる費用を少しでも抑えたい方は「 MA Frontier」にご相談ください

弊社MA Frontierでは、スタートアップ型・成長戦略型・事業承継型など、さまざまな目的に応じて最適なM&Aの戦略をご提案しています。

弁護士や公認会計士、戦略コンサルタントなどの専門家チームを擁し、企業の売却をご検討の経営者様を徹底的にサポートいたします！

「新しいビジネスモデルを考えたい」「停滞している企業の経営を変えたい」「独自の技術やノウハウを継承したい」など、背景は企業様によってさまざまです。

弊社では法務・財務・税務の各側面から、M&Aの複雑な手続きを安全に進められるようお手伝いいたします。　

なお、売主様に対しては着手金・中間報酬・月額報酬が一切発生しない完全成功報酬制を採用しており、成約後の売却代金から報酬をお支払いいただくフローとなっているため安心です！

さらに、弁護士や公認会計士などが財務面でのリスクをしっかりと検証するため、M&A取引に必要な各種書式や契約書の準備も円滑に進めていただけます。

この他にも、以下のようにさまざまなご依頼を承っておりますので、まずは無料相談にてお気軽にご相談ください。

【Q&A】会社売却にかかる費用についての質問

Q.会社売却の費用はどれくらい必要ですか？

A.会社売却にかかる費用は、売却額や依頼する専門家、契約内容によって大きく変動します。

仲介会社に依頼する場合は、着手金、成功報酬、デューデリジェンス費用などがかかり、売却額の数%〜10%程度が目安となります。自身で売却交渉を行う場合は、専門家への依頼費用や税金などが主な費用となります。

Q.会社売却にかかる費用を安く抑える方法は？

A.会社売却の費用を安く抑えるためには、以下の方法が考えられます。

Q.成功報酬が発生するタイミングはいつですか？

A.成功報酬は、一般的に会社売却が成立し、最終契約が締結されたタイミングで発生します。

ただし、仲介会社によって条件が異なる場合があるため、契約時に確認することが重要です。

Q.自分で会社売却を行う場合、費用はかかりませんか？

A.自分で会社売却を行う場合でも、完全に費用がかからないわけではありません。

法務デューデリジェンスや税務デューデリジェンスを専門家に依頼する場合は、弁護士費用や税理士費用が発生します。また、売却益に対して税金もかかるため、これらの費用を考慮する必要があります。

Q.手数料が安い仲介会社はありますか？

A.手数料が安い仲介会社は存在しますが、手数料の安さだけで判断するのは危険です。

実績や専門性、サポート体制なども考慮し、総合的に判断することが重要です。複数の仲介会社を比較検討し、自社のニーズに合った会社を選びましょう。

Q.会社はいくらくらいで売却されることが多いですか？

A.会社売却の価格は、企業の規模、業種、収益性、成長性などによって大きく異なります。

中小企業の場合、数千万円から数億円程度で売却されることが多いですが、数億円を超えるケースも珍しくありません。M&A仲介会社などに相談することで、より正確な企業価値評価を受けることができます。