会社売却は誰に相談すべき?後悔しない相談先の選び方と流れを徹底解説

会社を売却する――。それは経営者にとって大きな決断です。

「誰に相談すればいいのか分からない」
「そもそも、まだ売るかどうかも決めきれていない」
そんな悩みを持つ方こそ、早い段階で専門家に相談することが、後悔しない会社売却への第一歩です。
本記事では、会社売却を検討し始めた経営者の方に向けて、
「誰に相談すべきか」「相談前に準備すべきこと」「相談の流れ」など、必要な情報をわかりやすく解説していきます。

下記の動画では、M&A相談の最適なタイミングや進め方について解説されています。

会社売却を専門家に相談することで得られる3つのメリット
会社売却は、経営者にとって大きな転換期。成功させるためには、専門家のサポートが不可欠です。ここでは、専門家に相談することで得られる3つのメリットをご紹介します。

下記の表に、会社売却を専門家に相談するメリットについてまとめました。
メリット | 詳細 |
---|---|
相場観がつかめる | 客観的な企業価値評価により、適正な売却価格を把握できる。 |
手続きの流れが明確になる | 複雑な手続きや書類、スケジュールなどを把握し、スムーズな売却が可能になる。 |
自社に合った売却方法が見えてくる | 会社の状況や経営者の希望に合わせた最適な売却方法を提案してもらえる。 |
相場観がつかめる
会社売却を考える際、まず気になるのが「自分の会社はいくらで売れるのか?」という点でしょう。

しかし、会社の価値は、以下のような様々な要因によって変動するため、素人が正確な相場を把握するのは困難です。
会社売却の相場を決める要因
・業界の動向
・企業の財務状況
・企業の将来性 など
M&A仲介会社などの専門家は、豊富な実績とデータに基づいて、客観的な企業価値評価を行ってくれます。これにより、自社の適正な売却価格を知ることができ、有利な条件で交渉を進めることが可能になります。
また、複数の専門家に見積もりを依頼することで、より正確な相場観を養うことができるでしょう。
手続きの流れが明確になる
会社売却は、法務、税務、会計など、複雑な手続きが伴います。これらの手続きを、経営者が一人で行うのは、時間的にも精神的にも大きな負担となります。
専門家に相談することで、売却に必要な手続きや書類、スケジュールなどを明確に把握することができます。また、専門家は、各手続きの代行やアドバイスも行ってくれるため、スムーズに売却を進めることができます。
初めて会社売却を経験する方にとっては、特に心強いサポートとなるでしょう。
自社に合った売却方法が見えてくる
会社売却には、株式譲渡、事業譲渡、合併など、様々な方法があります。どの方法が自社にとって最適なのかは、会社の状況や経営者の希望によって異なります。
専門家は、会社の規模や業種、財務状況などを分析し、最適な売却方法を提案してくれます。また、売却後の経営戦略や従業員の処遇などについても、アドバイスを受けることができます。
専門家との相談を通じて、より良い条件で会社売却を実現するための道筋が見えてくるでしょう。
会社売却を相談したいけど、まず何をすればいい?

会社売却を考え始めたけれど、何から手をつければ良いのか見当もつかない…。
このようなお悩みをお持ちではありませんか? 会社売却は、経営者にとって大きな決断であり、慎重な準備が不可欠です。
ここでは、会社売却の相談を始める前に、まず何をすべきかについて解説します。
まずは売却の目的を整理しておこう(例:後継者不在・引退準備)
会社売却を検討する理由は、経営者によって様々です。まずは、なぜ会社を売却したいのか、その目的を明確にすることが重要です。
目的を明確にすることで、相談先を選ぶ際の基準や売却後のビジョンが明確になります。

よくある売却理由の例としては、以下のようなものが挙げられます。
売却理由 | 詳細 |
---|---|
後継者不在 | 後継者がいないため、会社を存続させるために売却を検討する。 |
引退準備 | 経営者の高齢化に伴い、引退後の生活資金を確保するために売却を検討する。 |
事業の選択と集中 | 不採算事業を売却し、成長分野に経営資源を集中させる。 |
資金調達 | 新たな事業展開や投資に必要な資金を調達するために売却を検討する。 |
経営不振 | 経営状況が悪化し、立て直しが難しい場合に売却を検討する。 |
これらの理由に加えて、「従業員の雇用を守りたい」「会社をさらに成長させたい」といった希望条件も明確にしておきましょう。
無料相談からスタートするのが一般的
会社売却に関する相談は、多くの専門機関で無料相談を受け付けています。まずは、気軽に相談できる窓口を探してみましょう。
無料相談では、会社売却に関する基本的な知識や売却の可能性、おおよその相場などを教えてもらうことができます。

無料相談を活用する際には、以下のポイントを意識しましょう。
まだ売却を決めていなくてもOK!早めに相談すべき3つの理由
「まだ売却するかどうか決めていないけど、相談しても良いのかな…」と悩む方もいるかもしれません。しかし、会社売却は時間のかかるプロセスであり、早めに情報収集を始めることが重要です。

売却を具体的に決めていなくても、早めに相談すべき理由を3つご紹介します。
売却を決めていなくても早めに相談すべき3つの理由
1. 会社売却の全体像を把握できるから
会社売却には、様々な手続きや専門知識が必要です。早めに相談することで、会社売却のプロセス全体を理解し、必要な準備を始めることができます。
2. 選択肢を広げることができるから
売却を検討する時期が早ければ早いほど、様々な売却方法や買い手候補を検討する時間的余裕が生まれます。より良い条件で売却できる可能性を高めるために、早めの相談がおすすめです。
3. 経営改善のヒントが得られるから
専門家との相談を通じて、自社の強みや弱みを客観的に分析することができます。売却を前提としなくても、経営改善のためのヒントを得られる可能性があります。
会社売却は、経営者にとって大きな転換期です。早めの相談を通じて、十分な情報を収集し、納得のいく決断をしましょう。
会社売却を相談できる5つの窓口|それぞれの特徴と選び方
会社売却を検討する際、誰に相談すれば良いか迷う方は少なくありません。ここでは、主な相談窓口としてM&A仲介会社、税理士・会計士、金融機関、事業承継・引継ぎ支援センター、知人や個人サイトの5つを取り上げ、それぞれの特徴と選び方を解説します。

下記の表に、各相談窓口とそれぞれのメリット・デメリットなどをまとめました。
相談窓口 | メリット | デメリット | こんな方におすすめ |
---|---|---|---|
M&A仲介会社 | ・専門的な知識やノウハウが豊富 ・売却活動を全面的にサポート ・最適な売却先を見つけやすい | ・手数料が発生する ・担当者の質にばらつきがある場合も | ・会社売却の経験がない方 ・売却活動に時間や手間をかけられない方 ・より良い条件で売却したい方 |
税理士・会計士 | ・財務・税務の専門家 ・会社の価値を客観的に評価してくれる ・税金対策に関するアドバイスを得られる | ・M&Aに関する知識や経験は仲介会社に劣る ・売却交渉などのサポートは期待できない | ・顧問税理士がいる場合 ・財務・税務面を重視したい方 |
金融機関 | ・売却先の候補を紹介してくれる可能性がある ・地域経済に精通している | ・中立的な立場とは言えない場合がある ・M&Aに関する専門知識は仲介会社に劣る | ・メインバンクとの関係を重視したい方 ・地域に根ざした企業に売却したい方 |
事業承継・引継ぎ支援センター | ・無料で相談できる ・公的機関なので安心感がある ・専門家によるアドバイスを受けられる | ・M&A仲介会社のような積極的なサポートは期待できない ・売却先の選択肢が限られる場合がある | ・まずは無料で相談したい方 ・事業承継について幅広く相談したい方 |
知人や個人サイト | ・気軽に相談できる ・費用がかからない場合がある | ・情報漏洩のリスクがある ・契約トラブルが発生する可能性がある ・専門的な知識やサポートは期待できない | ・信頼できる知人がいる場合 ・情報漏洩のリスクを理解している方 |

下記の動画では、「専門会社」「銀行」「会計事務所」の3つの相談先について解説されています。
M&A仲介会社|会社売却の実務を幅広くサポートしてくれる専門家
M&A仲介会社は、会社売却の専門家として、売却戦略の立案から相手先探し、条件交渉、契約締結まで、一連のプロセスを幅広くサポートしてくれます。会社売却に関する知識や経験が豊富なため、初めての方でも安心して相談できるでしょう。

下記の表に、M&A仲介会社を利用するメリット・デメリットや、おすすめな人をまとめました。
メリット | デメリット | こんな方におすすめ |
---|---|---|
・専門的な知識やノウハウが豊富 ・売却活動を全面的にサポート ・最適な売却先を見つけやすい | ・手数料が発生する ・担当者の質にばらつきがある場合も | ・会社売却の経験がない方 ・売却活動に時間や手間をかけられない方 ・より良い条件で売却したい方 |
税理士・会計士|財務面に強いが、会社売却全体の支援には限界もある
税理士や会計士は、会社の財務状況を把握し、税務面から会社売却をサポートしてくれます。 特に、会社の価値評価や税金対策においては、専門的な知識を活かしたアドバイスが期待できます。

下記の表に、税理士や会計士を利用するメリット・デメリットや、おすすめな人をまとめました。
メリット | デメリット | こんな方におすすめ |
---|---|---|
・財務・税務の専門家 ・会社の価値を客観的に評価してくれる ・税金対策に関するアドバイスを得られる | ・M&Aに関する知識や経験は仲介会社に劣る ・売却交渉などのサポートは期待できない | ・顧問税理士がいる場合 ・財務・税務面を重視したい方 |
金融機関|売却相手の紹介が期待できる一方、中立性には注意が必要
銀行や信用金庫などの金融機関は、融資先である企業の情報を多く持っているため、売却先の候補を紹介してくれる可能性があります。 ただし、金融機関は、売却先との関係性も考慮する必要があるため、必ずしも中立的な立場とは言えない点に注意が必要です。

下記の表に、金融機関を利用するメリット・デメリットや、おすすめな人をまとめました。
メリット | デメリット | こんな方におすすめ |
---|---|---|
・売却先の候補を紹介してくれる可能性がある ・地域経済に精通している | ・中立的な立場とは言えない場合がある ・M&Aに関する専門知識は仲介会社に劣る | ・メインバンクとの関係を重視したい方 ・地域に根ざした企業に売却したい方 |
事業承継・引継ぎ支援センター|公的機関ならではの安心感と無料相談が魅力
事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業の事業承継を支援する公的機関です。 会社売却に関する相談を無料で受け付けており、専門家によるアドバイスや、売却先の紹介などを行っています。公的機関ならではの安心感が魅力です。

下記の表に、事業承継・引継ぎ支援センターを利用するメリット・デメリットや、おすすめな人をまとめました。
メリット | デメリット | こんな方におすすめ |
---|---|---|
・無料で相談できる ・公的機関なので安心感がある ・専門家によるアドバイスを受けられる | ・M&A仲介会社のような積極的なサポートは期待できない ・売却先の選択肢が限られる場合がある | ・まずは無料で相談したい方 ・事業承継について幅広く相談したい方 |
知人や個人サイト|情報漏洩や契約トラブルに注意が必要なケースも
知人や個人サイトを通じて会社売却の相談をすることも可能ですが、情報漏洩のリスクや、契約に関するトラブルが発生する可能性もあるため、慎重な判断が必要です。 専門家ではないため、法的な知識や交渉力に欠ける場合もあります。

下記の表に、知人や個人サイトを利用するメリット・デメリットや、おすすめな人をまとめました。
メリット | デメリット | こんな方におすすめ |
---|---|---|
・気軽に相談できる ・費用がかからない場合がある | ・情報漏洩のリスクがある ・契約トラブルが発生する可能性がある ・専門的な知識やサポートは期待できない | ・信頼できる知人がいる場合 ・情報漏洩のリスクを理解している方 |
会社売却の相談先を選ぶ際には、それぞれの特徴を理解し、自社の状況やニーズに合わせて最適な窓口を選ぶことが重要です。迷った場合は、複数の窓口に相談し、比較検討することをおすすめします。
M&Aを検討する経営者が専門家に相談する理由は様々ですが、相談先がわからない方も多いので、この記事が役に立つでしょう。M&Aの相談先は数種類あるため、それぞれのメリット・デメリットを比較して選ぶことが重要です。
会社売却の相談前に準備しておくべき3つのポイント
会社売却の相談をスムーズに進め、より良い条件を引き出すためには、事前の準備が非常に重要です。ここでは、相談前に準備しておくべき3つのポイントを解説します。

下記に、会社売却の相談前に準備しておくべきことをチェックリストまとめました。
会社売却の相談前に準備しておくべきこと
・直近3期分の決算書を手元に用意している
・ 事業内容・強み・取引先構成など、自社の概要を整理している
・ 希望の売却条件(譲渡価格・タイミング・売却後の関わり方など)をある程度考えている
・ 株主構成や持株割合を把握している(複数株主がいる場合は特に)
・ 過去の法務・税務上のトラブル有無を把握している
・ 従業員数や組織図を簡単に説明できる資料がある
・ 売却の目的(例:後継者不在、資金化、事業整理など)を明確にしている

下記の動画では、M&A仲介会社に相談する前に準備すべきことについて解説されています。
直近3期分の決算書や財務情報を整理しておく
会社売却において、企業の財務状況は非常に重要な判断材料となります。
相談の際には、直近3期分の決算書(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書など)や、財務諸表に関する詳細な情報を提供する必要があります。これらの書類を整理しておくことで、M&A仲介会社や専門家は、企業の価値を正確に評価し、適切な売却戦略を立てることが可能になります。

具体的には、以下のポイントに注意して準備しましょう。
会社の特徴・強み・事業内容を一言で伝えられるようにする
あなたの会社が「どのような会社なのか」「どのような強みを持っているのか」を、M&Aの専門家や買い手候補に簡潔に伝えることは、非常に重要です。会社の特徴や強みを明確に伝えることで、相手はあなたの会社への理解を深め、興味を持つ可能性が高まります。

以下のポイントを意識して、自社の魅力を言語化してみましょう。

例えば、以下のように具体的な言葉で表現してみてください。
・〇〇業界でトップクラスの技術力を持ち、顧客満足度No.1を獲得している企業です
・独自のマーケティング戦略により、毎年20%の成長を続けています
「譲渡希望価格」や「売却後の希望条件」を整理しておく
会社売却の相談においては、「譲渡希望価格」や「売却後の希望条件」を事前に整理しておくことが大切です。希望価格を伝えることで、M&A仲介会社は、その価格に見合う買い手候補を探したり、価格交渉の戦略を立てたりすることができます。
また、売却後の希望条件(例:従業員の雇用維持、事業の継続など)を伝えることで、あなたの希望に沿った売却先を探すことが可能になります。

下記に、希望価格や売却後の希望条件を決める際のポイントをまとめました。
希望価格や売却後の希望条件決める際のポイント
希望価格を決定する際のポイント
・客観的な企業価値評価
専門家による企業価値評価を参考に、客観的な価格を把握しましょう。
・市場の相場
同業種のM&A事例や市場の相場を調査し、現実的な価格を設定しましょう。
・希望条件とのバランス
希望価格と売却後の希望条件とのバランスを考慮し、総合的に判断しましょう。
売却後の希望条件を整理する際のポイント
・従業員の雇用維持
従業員の雇用を維持したい場合は、その旨を明確に伝えましょう。
・事業の継続
事業を継続したい場合は、その方法や条件を具体的に伝えましょう。
・経営への関与
売却後も経営に関与したい場合は、その範囲や期間を明確に伝えましょう。
これらの情報を事前に整理しておくことで、M&Aの専門家との相談がスムーズに進み、より良い条件での会社売却に繋がる可能性が高まります。
会社売却の初回相談の流れと注意点をまとめて解説
会社売却を検討する際、最初の相談は非常に重要なステップです。この初回相談では、専門家との信頼関係を構築し、売却プロセスの全体像を把握することができます。
ここでは、初回相談の一般的な流れと各段階での注意点を詳しく解説します。

下記の表に、初回相談の流れと各ステップでの注意点についてまとめました。
ステップ | 注意点 |
---|---|
1. 事前ヒアリングで会社の状況を共有 | 業績に影響がある問題点も含め、売上や利益を正確に伝える |
2. 秘密保持契約(NDA)の締結 | 締結前に機密性の高い情報を開示しない |
3. 売却の進め方や可能性についてアドバイスを受ける | 理想と現実にはギャップがあることを理解しておく |
4. 正式に依頼するかを自分の意思で判断 | 相手に急かされても、焦って契約を決めない |
5. 初回相談後から売却完了まで | 予想以上に、時間と労力が必要となることを理解しておく |

下記の動画では、M&A初回相談のリアルな様子をお届けしています。
1.まずは事前ヒアリングで会社の状況を共有→売上や利益を正確に伝える
初回相談では、M&Aアドバイザーや仲介会社が会社の現状を正確に理解するために、事前ヒアリングが行われます。この段階では、会社の基本情報や財務状況について質問されることが一般的です。

下記に、事前ヒアリングを行う前に準備すべきポイントについてまとめました。
財務情報は正確に伝えることが重要です。売上や利益を過大に伝えると、後の精査で問題が発覚し、信頼関係が崩れる可能性があります。また、業績に影響する可能性のある問題点も隠さず伝えることで、より適切なアドバイスを受けることができます。
2.秘密保持契約(NDA)の締結→締結前に機密情報を出さない
会社売却の相談では、企業の機密情報を扱うため、秘密保持契約(NDA: Non-Disclosure Agreement)の締結が必須です。これにより、相談内容や提供する情報の秘密が保護されます。

下記に、秘密保持契約(NDA)を締結する際のポイントについてまとめました。
NDAを締結する前に、詳細な財務情報や顧客リスト、技術情報などの機密性の高い情報を開示することは避けましょう。初回相談では、一般的な事業概要の説明にとどめ、NDA締結後に詳細情報を提供するというステップを踏むことが安全です。
3.売却の進め方や可能性についてアドバイスを受ける→理想と現実のギャップを理解しておく
NDA締結後、アドバイザーから会社売却の進め方や市場の現状、売却価格の目安などについて具体的なアドバイスを受けることができます。

下記に、専門家からのアドバイスを受ける前に準備しておくべきポイントをまとめました。
売却価格や条件に関して、理想と現実にはギャップがあることがほとんどです。自社の価値を過大評価せず、市場の現状や同業他社の事例を踏まえた現実的な見通しを持つことが重要です。
アドバイザーの説明が楽観的すぎる場合は、具体的な根拠や過去の実績を確認しましょう。
4.正式に依頼するか自分の意思で判断→焦って契約を決めない
初回相談を経て、そのアドバイザーや仲介会社に正式に売却支援を依頼するかどうかを判断します。この決断は慎重に行うべきです。

下記に、アドバイザーや仲介会社に正式に依頼するかを判断するポイントをまとめました。
初回相談後、すぐに契約を急かされることがありますが、焦って契約を結ぶべきではありません。会社売却は経営者にとって人生の一大事であり、サポートしてくれるアドバイザー選びは非常に重要です。
十分な情報収集と比較検討を行い、自分の意思で決断しましょう。
5.相談後の進め方は?売却完了までの流れも解説

正式に売却支援を依頼した後は、一般的に以下のようなプロセスで売却が進められます。
正式に依頼をした後の売却完了までの流れ
1. 企業価値評価と売却準備(1〜2ヶ月)
・詳細な財務分析や事業分析による企業価値評価
・会社概要書(ティーザー)や詳細資料(インフォメーションメモランダム)の作成
・デューデリジェンス(詳細調査)に備えた資料準備
2.買い手候補の選定とアプローチ(1〜2ヶ月)
・潜在的な買い手リストの作成
・秘密保持を確保した上での買い手候補へのアプローチ
・会社概要書の配布と関心表明の収集
3.交渉と基本合意(2〜3ヶ月)
・関心を示した買い手候補との面談
・買収価格や条件についての交渉
・基本合意書(LOI: Letter of Intent)の締結
4.デューデリジェンスと最終契約(2〜4ヶ月)
・買い手による詳細調査(財務・法務・税務・事業デューデリジェンス)
・最終契約条件の調整
・株式譲渡契約書などの最終契約締結
5.クロージングと事業引継ぎ(1〜2ヶ月)
・株式の譲渡と対価の支払い
・関係者への通知と必要な登記手続き
・事業運営の引継ぎと統合プロセスの開始

下記に、売却完了まで進める際のポイントをまとめました。
売却プロセスは予想以上に時間と労力を要することが一般的です。通常の事業運営を行いながらの対応となるため、社内での役割分担や外部専門家の活用を検討しましょう。
また、交渉が難航したり、デューデリジェンスで問題が発見されたりすることもあるため、精神的な準備も必要です。
初回相談では、アドバイザーとの信頼関係構築と正確な情報共有を心がけ、無理のないペースで売却プロセスを進めていくことが重要です。
会社売却の相談先を選ぶ際に押さえておきたい5つのポイント
会社売却を成功させるには、「誰に相談するか」が非常に重要です。下の表では、信頼できる相談先と、注意が必要な相談先の特徴を比較しています。
まずは全体像を確認したうえで、各ポイントの詳細を読み進めてみてください。
ポイント | 信頼できる相談先の特徴 | 注意が必要な相談先の特徴 |
---|---|---|
1. 料金体系は明朗か | ・明朗な料金体系 ・成功報酬の計算方法が明確 ・見積もりが詳細で分かりやすい | ・着手金や中間報酬が高額 ・成功報酬の計算方法が複雑 ・追加費用が発生しやすい |
2. NDAがあるかどうか | ・初期段階からNDAを締結する ・情報管理の方法が明確 ・漏洩時の責任が明記されている | ・NDAを軽視している ・締結を後回しにする ・内容が曖昧で不十分 |
3. 実績や買い手候補の提案力があるか | ・類似案件の実績が豊富 ・具体的な買い手候補の提案がある ・自社の業界に精通している | ・実績が乏しいか確認できない ・買い手候補が抽象的 ・業界知識が不足している |
4. 契約までの姿勢 | ・十分な検討時間を与える ・経営者の意思を尊重する ・質問に丁寧に回答する | ・契約を急がせる ・過度な期待を持たせる ・質問への回答が曖昧 |
5. リスクやデメリットの説明があるか | ・メリットとデメリットを包み隠さず説明 ・想定されるリスクを具体的に提示 ・対策案も併せて提案する | ・メリットばかり強調する ・リスクやデメリットを軽視する ・問題が発生しないと断言する |

下記の動画では、M&A仲介契約の際に注意すべきポイントについて解説されています。
1.料金体系は明朗か?着手金や中間報酬に注意
料金体系は、相談先を選ぶ上で非常に重要なポイントです。M&A仲介会社やアドバイザーによっては、着手金、中間報酬、成功報酬など、様々な名目で費用が発生します。

納得できる料金体系かを見極めるために、以下の項目を確認しましょう。
・着手金や中間報酬、成功報酬等の金額
・支払い時期
・成功報酬の計算方法 など
特に注意したいのは、着手金や中間報酬です。これらの費用は、売却が成立しなくても発生するため、費用対効果を慎重に検討する必要があります。成功報酬も、計算方法が複雑であったり、成功の定義が曖昧であったりする場合には、注意が必要です。
明朗な料金体系を提示してくれる相談先は、信頼できる可能性が高いと言えます。見積もりを複数社から取得し、料金体系を比較検討することをおすすめします。
2.NDA(秘密保持契約)があるかどうか確認
会社売却の相談においては、自社の機密情報を相談先に開示する必要があります。そのため、NDA(秘密保持契約)を締結しているかどうかは、非常に重要な確認ポイントです。NDAを締結することで、相談先は開示された情報を厳重に管理し、第三者に漏洩することを防ぐ義務を負います。
NDAがない場合、自社の情報が競合他社や取引先に漏洩するリスクがあります。情報漏洩は、会社の信用を失墜させるだけでなく、売却交渉にも悪影響を及ぼす可能性があります。必ずNDAを締結してから、具体的な相談に進むようにしましょう。
3.実績や買い手候補の提案力に注目
相談先の実績は、その能力を判断する上で重要な指標となります。「過去にどのような規模の会社売却を成功させたのか」「どのような業界に強みを持っているのか」などを確認しましょう。実績が豊富であれば、様々なケースに対応できるノウハウや経験を持っていると考えられます。
また、買い手候補の提案力も重要なポイントです。自社の業界や規模、強みなどを理解した上で、適切な買い手候補を提案してくれるかどうかを見極めましょう。買い手候補の提案力が高い相談先は、より良い条件での売却を実現できる可能性が高いと言えます。
4.契約を急がせる相談先には注意
契約を急がせる相談先には、注意が必要です。会社売却は、経営者にとって人生を左右する大きな決断です。時間をかけて慎重に検討し、納得した上で契約を結ぶべきです。契約を急がせる相談先は、自社の利益を優先している可能性があり、十分に検討する時間を与えてくれない場合があります。
信頼できる相談先は、契約を急がせることなく、経営者の意思を尊重し、十分な検討時間を与えてくれます。複数の相談先から話を聞き、比較検討した上で、最も信頼できる相談先を選ぶようにしましょう。
5.リスクやデメリットの説明があるか
会社売却には、メリットだけでなく、リスクやデメリットも存在します。信頼できる相談先は、メリットだけでなく、リスクやデメリットについても丁寧に説明してくれます。リスクやデメリットを隠したり、軽視したりする相談先は、注意が必要です。

会社売却において、考えられるリスクやデメリットは、以下の通りです。
会社売却で考えられるリスクやデメリット
・売却後の従業員の処遇
・経営者の責任
・税金の問題 など
これらのリスクやデメリットを事前に理解しておくことで、売却後のトラブルを未然に防ぐことができます。
リスクやデメリットについて、包み隠さず説明してくれる相談先は、経営者のことを真剣に考えていると言えるでしょう。
「誰に相談すべきか迷っている」なら、まずはMAfrontierの無料相談を
弊社MA Frontierでは、スタートアップ型・成長戦略型・事業承継型など、さまざまな目的に応じて最適なM&Aの戦略をご提案しています。
弁護士や公認会計士、戦略コンサルタントなどの専門家チームを擁し、企業の売却をご検討の経営者様を徹底的にサポートいたします!

「新しいビジネスモデルを考えたい」「停滞している企業の経営を変えたい」「独自の技術やノウハウを継承したい」など、背景は企業様によってさまざまです。
弊社では法務・財務・税務の各側面から、M&Aの複雑な手続きを安全に進められるようお手伝いいたします。
なお、売主様に対しては着手金・中間報酬・月額報酬が一切発生しない完全成功報酬制を採用しており、成約後の売却代金から報酬をお支払いいただくフローとなっているため安心です!

さらに、弁護士や公認会計士などが財務面でのリスクをしっかりと検証するため、M&A取引に必要な各種書式や契約書の準備も円滑に進めていただけます。
この他にも、以下のようにさまざまなご依頼を承っておりますので、まずは無料相談にてお気軽にご相談ください。
M&A Frontierで対応しているサービス
・候補先企業の探索・選定
・株式譲渡・事業譲渡などのスキームに関するご提案
・各種書式・契約書の準備
・株式価値の無料算定
・デューデリジェンスのサポート
・伴走型コンサルティング(企業の状況や成長戦略に関する知見の提供)


サポートを受けることで、下記のようなリスクや不安を解消することが可能です。

会社売却の相談に関するよくある質問
無料相談の後はどのくらいの費用がかかりますか?
無料相談の後にかかる費用は、相談先によって大きく異なります。
M&A仲介会社の場合、着手金、中間報酬、成功報酬といった費用が発生するのが一般的です。税理士や会計士に相談する場合は、顧問料や相談料が発生することがあります。事前に料金体系を確認し、見積もりを取るようにしましょう。

下記の表に、無料相談後に発生する費用についてまとめました。
費用項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
着手金 | 相談・調査開始時に発生する費用 | 会社によって金額は大きく異なる |
中間報酬 | 基本合意契約締結時に発生する費用 | 成功報酬の一部を充当する場合が多い |
成功報酬 | 会社売却成立時に発生する費用 | 売却金額に応じて変動 |
顧問料・相談料 | 税理士・会計士に相談する場合 | 時間単価で計算されることが多い |
売却を相談したことが社内や取引先にバレますか?
会社売却の相談は、情報漏洩のリスクを最小限に抑えるために、秘密保持契約(NDA)を締結してから行うのが一般的です。NDAを締結することで、相談内容や提供した情報が外部に漏れるのを防ぐことができます。ただし、相談先によってはNDAがない場合もあるので、事前に確認することが重要です。
M&A仲介会社などに相談する場合は、担当者に「社内や取引先に知られたくない」旨を伝え、情報管理の徹底を依頼しましょう。また、相談する際には、会社の特定につながる具体的な情報を伏せるなどの対策も有効です。
赤字や小規模な会社、個人事業主でも相談にのってもらえますか?
赤字や小規模な会社、個人事業主でも、会社売却の相談は可能です。ただし、売却の難易度は高くなる傾向があります。M&A仲介会社によっては、一定規模以上の会社しか取り扱わない場合もあるため、事前に相談可能かどうかを確認しましょう。
事業承継・引継ぎ支援センターなどの公的機関では、規模や業績に関わらず、中小企業や個人事業主の事業承継・M&Aを支援しています。まずは、これらの機関に相談してみるのも良いでしょう。
事業承継・引退の相談としても利用できますか?
はい、会社売却の相談窓口は、事業承継や引退に関する相談としても利用できます。特に、後継者不在の場合、M&Aによる会社売却は有力な選択肢となります。M&A仲介会社や事業承継・引継ぎ支援センターでは、事業承継全般に関する相談を受け付けています。
「経営者やオーナーを引退したい」のか「事業を末永く続かせたいのか」など、本来の目的を達成するために、時間的な余裕を持って相談し始めることが大切です。
会社売却にはどのくらいの期間がかかりますか?
会社売却にかかる期間は、会社の規模や業種、売却方法、交渉の状況などによって大きく異なります。一般的には、相談開始から売却完了まで、半年から1年程度の期間を要することが多いです。ただし、複雑な案件や交渉が難航する場合には、それ以上の時間がかかることもあります。
会社売却を成功させるためには、時間的な余裕を持って準備を進めることが重要です。早めに専門家に相談し、綿密な計画を立てるようにしましょう。
相談したあとに断っても大丈夫ですか?
はい、相談した後に、正式な依頼を断っても問題ありません。無料相談は、あくまで情報収集やアドバイスを受けるためのものです。複数の相談先を比較検討し、最も信頼できると感じた専門家に依頼するのが良いでしょう。
ただし、相談内容によっては、費用が発生するケースもあります。事前に費用が発生する可能性があるかどうかを確認しておきましょう。