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【完全解説】事業継承で消費税が発生するケースとは?課税対象・節税対策・リスクも網羅

【完全解説】事業継承で消費税が発生するケースとは?課税対象・節税対策・リスクも網羅

事業を親族や第三者に引き継ぐ「事業継承」では、相続税や贈与税に注目が集まりがちですが、実は消費税にも注意が必要です。特に「みなし譲渡」や「事業用資産の移転」によって、予期せぬ課税が発生するケースも。

この記事では、事業継承で消費税が発生するケース・課税対象となる取引・節税対策までをやさしく解説します。法人・個人事業主どちらのケースにも触れているので、「何に気をつけるべきか」がまるっとわかります。

「相続や贈与だけじゃなく、消費税も関係あるの?」と疑問に思った方こそ、ぜひ最後までチェックしてみてください。

目次

【結論】事業継承で消費税が発生するのは「事業譲渡」の場合

一般的に、株式譲渡や相続・贈与による事業承継では消費税は発生しません。しかし「事業譲渡」の場合、個別の資産(在庫・設備・営業権など)の譲渡と見なされるため、消費税の課税対象になるケースがあります。

ポイントは、どのような方法で事業を引き継ぐかです。

事業譲渡:原則課税対象になる(資産の移転として扱われる)

会社の事業を譲渡する場合、譲渡対象となる資産(在庫、設備、営業権など)は、消費税法上「資産の譲渡等」に該当します。そのため、原則として消費税が課税されると考えておく必要があります。

特に、以下のようなものは課税対象です。

・商品や原材料などの棚卸資産

・機械や車両などの固定資産

・営業権(のれん)や顧客リストなどの無形資産

ただし、土地や有価証券の譲渡は非課税資産にあたるため、消費税はかかりません。

赤字の会社でも売却できるのか不安な方は、こちらの記事もおすすめです。

参考記事
赤字の会社は売れる?負債があっても売却できる条件・方法・注意点を徹底解説!

贈与・相続:非課税(ただし“みなし譲渡”に該当する場合は注意)

一方、相続や贈与による承継の場合は、原則として消費税は非課税になります。これは、あくまで「無償での資産移転」であり、対価を伴わないためです。

ただし、注意すべきなのが「みなし譲渡」扱いになるケースです。

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たとえば、帳簿上の資産を簿価ではなく時価で引き継いだ場合など、条件によっては課税されることもあります。

こうしたみなし譲渡の判断はやや専門的なので、税理士などの専門家に確認するのが安心です。

個人事業主の親子間承継:課税対象になるケースも

個人事業主の親から子への事業承継でも、対価を伴う譲渡(売買)と見なされる場合には、事業譲渡と同様に消費税の課税対象になります。

たとえば、以下のようなケースは、「事業を売却した」と見なされるため、消費税がかかります。

・在庫や設備を「売る」かたちで子に引き継いだ場合

・顧客リストや店舗などを「有償で譲渡」した場合

一方、無償での引き継ぎで、かつ対価の授受がない場合には、みなし譲渡とされるかどうかで課税の判断が分かれます。

このように、「どう継承するか」によって消費税がかかるかどうかが大きく変わるので、事前にしっかりとスキームを整理することが重要です。

事業継承で発生する消費税が免税されるケースはある?

事業継承=必ず消費税が発生する、というわけではありません。実は、一定の条件を満たせば消費税が「非課税」または「免税」扱いになるケースもあるんです。

ここでは主なパターンを見ていきましょう。

相続や贈与による承継は原則「非課税」扱いになる

親から子に会社や事業を相続や贈与で承継する場合、消費税は基本的にかかりません。これは、相続や贈与が「無償」で行われるため、「対価を得た取引ではない」と判断されるからです。

ただし、以下のような注意点もあります。

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・贈与といいつつ、実質的には「売買」に近い場合(例:名義を変える代わりに金銭を支払う)は、課税の対象になる可能性あり

・相続後に資産を売却した場合は、その売却自体に消費税がかかるケースもある

あくまで「継承そのもの」に対しては非課税ですが、その後の取引には注意が必要です。

免税事業者に該当する場合、消費税の納税義務がない

個人事業主や中小企業の場合、消費税の「免税事業者」に該当するケースがあります。この場合、たとえ事業譲渡によって消費税の対象となる資産を引き継いでも、納税義務が免除されるのが特徴です。

免税事業者となるざっくりとした基準は、以下の通りです。

免税事業者となる基準

・前々年度の課税売上高が1,000万円以下

・一定の条件で設立された法人(特定期間の売上などが条件)

ただし、令和5年10月から始まった「インボイス制度」によって、免税事業者の扱いが変わってきているため、今後は納税義務が発生するケースも増える見込みです。

譲渡資産の内容によっては課税対象外となる場合もある

事業譲渡の際に引き継がれる資産の中には、そもそも消費税がかからないものも含まれます。

たとえば、以下のような資産は非課税です。

消費税が非課税の資産

・土地(建物部分は課税対象)

・株式や有価証券

・預金などの金銭債権

・公共料金の支払い義務

逆に、以下のような資産は課税対象となります。

消費税が課税される資産

・在庫品や商品

・備品や設備

・営業権(のれん)やブランド価値

つまり、「どんな資産を」「どのように」引き継ぐかによって、消費税の有無が変わってくるということです。

事業継承をスムーズに進めるためには、“非課税”なのか“課税”なのかを事前に確認することがとても大切です。

次の見出しでは、具体的にどんな取引や資産が課税対象になるのか、より詳しく見ていきます。

事業継承で消費税がかかる資産・かからない資産とは?

事業を引き継ぐときには、さまざまな資産も一緒に移転しますが、すべての資産に消費税がかかるわけではありません。課税・非課税の区別を理解しておくことで、余計な納税を防ぎ、トラブルを未然に防げます。

まずは、大まかに分類した一覧表を見てみましょう。

資産の種類課税対象?補足
商品・製品・原材料課税対象棚卸資産として扱われる
機械・備品・車両など課税対象減価償却資産も含まれる
のれん・顧客リスト課税対象営業権(無形資産)は原則課税
土地非課税建物は課税対象なので注意
株式・出資金非課税金融商品は非課税取引
現金・預金非課税消費税の対象外
贈与された資産非課税ただしみなし譲渡扱いに注意

課税対象になる資産:商品・設備・のれんなど

事業で使用している商品在庫や設備、営業権などは、消費税法上「資産の譲渡」に該当します。

特に次のようなものは、事業譲渡に伴って課税対象になりやすいです。

・店舗にある商品や在庫

・生産・販売に使っている設備、什器

・車両やパソコンなどの備品

・顧客リスト、ノウハウ、ブランドといった無形資産(のれん)

無形資産であっても“対価”を伴う引き渡しであれば、消費税が課税されるので見落とさないようにしましょう。

非課税となる資産:土地・株式・現金・事業用資産の贈与など

一方で、法令上そもそも非課税とされている資産もあります。

非課税の資産の例は、以下のとおりです。

土地:建物とセットで売る場合でも、土地部分には消費税がかかりません

株式・出資持分:金融商品なので非課税

現金・預金:消費税の課税対象外

贈与された資産:無償のため基本的に課税されない

特に株式譲渡での事業承継は、この「非課税資産」に該当する部分が多く、消費税が発生しにくいのが特徴です。

また基本的に贈与による事業承継では消費税は発生しませんが、「みなし譲渡」に該当する場合には、課税対象となることがあります。たとえば、適正な対価が発生しているとみなされた場合などが該当します。

注意が必要な資産:不動産・営業権などの取扱い

「これは課税?非課税?」と迷いやすい資産もあります。

代表的なのが不動産(建物+土地)営業権(のれん)です。

不動産と営業権

・不動産
土地は非課税/建物は課税。一括で譲渡される場合は内訳を明確にしないと、全体が課税扱いになるリスクも。

・営業権
顧客情報やブランド価値などに“価格がつく”場合は課税対象になる。無償提供であれば非課税。

このように、「同じ資産でも条件次第で課税・非課税が分かれるケース」もあるため、事前に資産ごとに精査することが大切です。

事業継承を行う際には、単に“引き継ぐ”だけでなく、どの資産にどんな税がかかるかを整理しておくことが重要なステップです。

事業継承における消費税で注意すべき“税務上のリスク”

事業承継時の消費税は、「かかる/かからない」だけでなく、“どう取り扱うか”によって思わぬトラブルや追徴課税を招くリスクもあります。特に中小企業や個人事業主では、税務処理が曖昧なまま継承が進むことも多く、慎重な対応が求められます。

ここでは、事業継承における代表的な“消費税の落とし穴”を紹介します。

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営業権やのれんの金額が不自然だと否認されるリスクがある

営業権(のれん)には明確な「相場」がないため、金額の設定に主観が入りやすい資産です。

以下のようなケースでは税務署に“過大評価”とみなされて否認される可能性があります。

Warning

・実態に見合わない高額なのれんを設定している

・営業実態のない法人でのれんが計上されている

・売り手・買い手が親族や関係者で、価格の操作が疑われる

否認されると、仕入税額控除の否認や課税対象額の修正など、追加の税負担が発生するリスクがあるので注意が必要です。

帳簿や請求書の不備により仕入税額控除が否認されるリスクがある

消費税の申告では、「仕入税額控除(仕入時に支払った消費税を控除できる制度)」が重要ですが、これを使うには帳簿と請求書の保存要件を満たしていることが条件です。

具体的には、以下のような要件などを確認されます。

・譲渡対象となった資産ごとの対価や消費税額が明記された請求書があるか

・資産ごとの内訳や譲渡条件が帳簿上明確にされているか

帳簿がざっくりすぎたり、請求書に不備があると、本来控除できるはずの税額が控除できなくなるリスクがあります。

申告漏れや税込/税抜の誤認によって買い手とトラブルになるリスクがある

事業譲渡における消費税処理では、「税込価格」なのか「税抜価格」なのかの認識違いがトラブルの原因になることがあります。

たとえば以下のような場合、どちらが税を負担するかで揉めることになりかねません。

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・契約書に「譲渡金額〇〇円(消費税別途)」と明記されていない

・売り手は税込で認識していたが、買い手は税別だと解釈していた

さらに、税務上の申告ミスや納税漏れに発展すると、追徴課税やペナルティの対象にもなります。

納税責任を契約書で明確にしないと紛争に発展する可能性がある

事業譲渡契約では、消費税の負担者・納税者を明確にしておくことが不可欠です。

これを曖昧にしたまま契約を進めてしまうと、以下のようなトラブルが起こり得ます。

Warning

・「誰が消費税を払うのか」で揉める

・税務調査後に修正申告が必要になり、責任の押し付け合いに発展

・契約解除や損害賠償にまで至るケースも

そのため、契約書では最低限以下のポイントを明記しましょう。

Success

・譲渡価格が税込か税抜か

・消費税の納税義務は売り手・買い手のどちらにあるか

・万が一税務リスクが発生した場合の対応・補償範囲

これらのリスクは、「知らなかった」では済まされないことも多いです。事業承継をスムーズに進めるためにも、契約前から税理士や専門家を交えて税務処理を確認することが重要です。

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事業継承における消費税トラブルを防ぐための契約・税務対策ポイント

事業承継では、承継そのものの手続きだけでなく、“消費税をめぐるトラブル回避”も重要なポイントです。

ここでは、あとから「こんなはずじゃなかった…」とならないようにするための、実務的な対策を6つ紹介します。

事業承継で起こるトラブルについて詳しく知りたい方には、こちらの記事もおすすめです。

参考記事
事業承継で起こるトラブルとは?よくある事例と防止策・対処法を徹底解説

契約書で誰が申告・納税するかを明記しておく

まず大切なのは、消費税の申告・納税の責任がどちらにあるのかを契約書で明確にしておくことです。

・「消費税は売り手の責任で納税する」

・「消費税分は買い手が負担するが、申告は売り手が行う」

このように責任の所在をはっきりさせることで、税務調査後のトラブルや責任の押し付け合いを防げます

「税込/税抜価格」の取扱いを事前にすり合わせておく

譲渡金額が税込か税抜かで買い手・売り手の認識がズレてしまうことも、よくあるトラブルです。

以下のようにして、“消費税込みかどうか”の共通認識を持っておくことが大切です。

Success

・契約書に「譲渡金額〇〇円(消費税別途)」と記載する

・価格交渉段階から税別/税込を明確にする

帳簿・請求書を整備し、控除要件を満たしておく

買い手が仕入税額控除を受けるには、正しい帳簿と請求書の保存が必要条件です。

以下のようなものをきちんと整備しておくことで、消費税の控除がスムーズに行えます。

・譲渡資産ごとの明細が記載された帳簿

・消費税額が明記された請求書や領収書

・インボイス制度に対応した書式(適格請求書)

営業権・のれんの金額を適正に評価・記録しておく

のれんや営業権などの無形資産は、金額が不明瞭なまま処理されがちです。

適正評価を行うためには、次のような基準を使うと安心です。

Success

・年間営業利益に基づく評価(年買法など)

・類似取引の相場を参考にする

・第三者の評価(公認会計士・税理士)を取り入れる

過大評価による否認リスクを避けるためにも、金額設定の根拠を記録に残しておくと安全です。

税務署との見解ズレを防ぐために「事前相談」を活用する

不安な点があれば、税務署や税理士への「事前相談」を活用するのも有効です。

あらかじめ以下のような内容を確認しておきましょう。

Success

・営業権の評価方法が妥当か

・特定の資産が課税対象に該当するか

・みなし譲渡になる可能性があるか

これら事前に確認しておくことで、後からの追徴課税や否認リスクを軽減できます。

課税・非課税の資産区分を整理し、譲渡構成を最適化する

事業譲渡では、「課税対象の資産」「非課税の資産」が混在することがよくあります。

そのため、事前に以下を整理しておきましょう。

Success

・何が課税対象で、何が非課税か

・各資産の評価額・割合

・譲渡構成の工夫によって消費税負担を軽減できないか

場合によっては、株式譲渡や持株会社を活用したスキームの方が有利になることもあります。

このように、消費税の処理は「契約」「帳簿」「評価」「コミュニケーション」の4点を意識することで、大半のトラブルは事前に防ぐことができます。

こうしたリスクや手続きに不安がある場合は、M&A専門の支援会社に相談するのも有効です。

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事業継承の相談先をお探しの方には、こちらの記事もおすすめです。

参考記事
【2025年版】事業継承コンサルタントおすすめ6選|選び方・費用・進め方まで解説

事業継承の消費税に関してよくある質問

Q. 事業継承の際に発生する消費税の納付を延期する方法はありますか?

基本的に、事業譲渡で消費税が発生した場合は、譲渡を行った課税期間中(通常は事業年度)の申告期限までに納付する義務があります。

ただし、以下のような制度を活用すれば、納付時期の調整が可能な場合もあります。

納税猶予制度(条件付き)

災害や一時的な資金繰り悪化などが要件

中間申告の有無で資金繰りを計画的に調整

分割納付は不可だが、延納申請が認められるケースもあり(税務署の判断による)

納付延期を希望する場合は、必ず税理士を通じて早めに相談することが大切です。

Q. 消費税の納税は、売り手と買い手のどちらが負担しますか?

原則として、消費税は売り手が納税する義務を負います。これは、事業譲渡によって「資産を譲渡した側」が課税対象になるからです。

ただし、実際の負担については、契約書で「買い手が消費税を別途負担する」と定めているケースも多いです。

契約書で明記 → 買い手が価格+消費税を支払う

明記がない → 売り手が税込価格として処理し、税金を納付する

トラブルを避けるためにも、価格設定時点から“税込 or 税別”の扱いをすり合わせておくことが重要です。

Q. みなし譲渡とは?どんなときに対象になりますか?

「みなし譲渡」とは、実際には取引が行われていなくても、“あったもの”として消費税が課されるケースのことです。株式譲渡や相続型では非課税になることが多いですが、事業譲渡や贈与型では個別資産ごとに課税判断が必要です。

事業承継では、以下のような場合に該当する可能性があります。

・無償で資産を引き渡したが、税務上は有償と見なされる

・帳簿価格ではなく、時価評価で処理された

・個人事業主が家族に資産を譲渡したが、適切な契約や対価がなかった

とくに「親族間での無償譲渡」は税務署に注目されやすいので、処理が曖昧だと課税リスクが高まります。

Q. 個人事業主が親子間で事業承継する場合、消費税はどうなりますか?

個人事業主の親から子への事業承継でも、“有償譲渡”とみなされれば消費税が発生します。

たとえば、以下のようなケースでは、課税対象になる可能性があります。

在庫や設備を「〇〇万円で売る」 → 消費税がかかる

譲渡契約書を交わして事業の一部を売却する → 課税対象になる可能性が高い

逆に、完全に無償で引き継ぎ、資産が贈与扱いとなる場合は、消費税はかかりません。ただし、贈与税の対象になる可能性があるので注意しましょう。

個人事業主の場合、法人よりも“みなし譲渡”や“免税事業者”の扱いが複雑なので、税理士への確認が特に重要です

Q. 相続によって事業を引き継いだ場合も、消費税の申告は必要ですか?

相続によって事業を引き継いだ場合、継承そのものに消費税はかかりません

しかし、以下の点には注意が必要です。

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・被相続人の事業年度中に消費税が発生していた場合は、相続人が申告・納付義務を引き継ぐ

・引き継いだ資産を相続後に売却した場合は、その売却に消費税がかかる

つまり、「承継の瞬間」では非課税でも、その後の動きによっては申告義務が発生することがあります。

このように事業継承における消費税の扱いは、方法や関係性によって細かく変わってきます。少しでも不安があれば、専門家に早めに相談することが最大のリスク対策です。

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