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M&A全般

会社を買収するにはどうすれば良い?具合的なステップや注意点を解説!

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市場シェアをなんとか拡大させたい

新規事業を立ち上げたいけれど人材がいない

そんな状況において、既存の顧客や人材をそのまま活用できる事業承継はかなり有効な戦略として注目されています。

適切な手順を踏んで買収と統合を進められれば、販路の拡大やブランド力アップにもつながる戦略です。

 

そこで本記事では、会社買収を「準備フェーズ」「交渉フェーズ」「契約フェーズ」「統合フェーズ」の4つの段階に分け、買収の進め方を具体的に解説していきます。

資金調達のポイントや交渉の進め方、統合(PMI)における注意点も含めて徹底解説していますので、ビジネスを拡大したい方はぜひ参考にしてください。

目次

会社を買収するには?フェーズごとに手順を解説!

会社を買収するには?フェーズごとに手順を解説!

会社を買収するというのは、ちょっとした思いつきでできるほど簡単な話ではありません。

売り手・買い手双方にとって大きな転換期となる重要な取引であり、企業戦略を兼ねた意思決定とも言えます。

実際に買収をするとなるとたくさんの手続きが伴いますが、大きく分けると以下の4つのフェーズに分けられています。

 

M&Aに必要なリソース

準備フェーズ(資金の準備、ターゲット選定など)
交渉フェーズ(NDAを締結、価格交渉など)
契約フェース(デューデリジェンス、最終契約)
統合フェース(PMIの実行、事業の安定化)

勢いで進めてしまうのではなく、適切な手順を踏んで事業の拡大・成功につなげていきましょう。

 

① 準備フェーズ:買収の目的を明確にし、資金を準備する

まずは、会社を買収するにあたり必要な情報や資金を確保する準備フェーズに入ります。

準備フェーズで主に取り組むのは、資金準備ターゲティングです。

1. 買収の目的を決める

まず、「何のために買収をするのか?」という明確な目的を設定するところから始めましょう。

目的を明確にしていないと、適切なターゲットを選べず買収後に後悔する可能性が高くなるため、最初にしっかりと固めることが大切です。

 

会社買収の目的はさまざまですが、特に多いものだと以下のように分けられます。

  • 市場参入…新規事業・地域進出・海外展開など
  • 事業の拡大…既存事業の強化・競争力アップ
  • 技術・人材の獲得…専門技術・ノウハウの取得

例えば、製造業が部品メーカーを買収することで供給網を強化したり、IT企業がエンジニア人材確保のためにソフトウェア開発会社を買収したりするのは目的が明確な取引です。

2. 買収資金を準備する

買収をスムーズに進めるためには、あらかじめ資金の準備が必要です。

資金計画が不十分だと、交渉が進んでも契約直前で資金不足になり、破談になるリスクがあるので注意しましょう。

自社で資金を調達しきれない場合には、以下のような手段もあります。

  • 日本政策金融公庫のM&A融資
  • 銀行融資・信用保証協会のサポート
  • 投資ファンドやVC(ベンチャーキャピタル)からの資金調達


最近ではM&A仲介会社が中小企業やベンチャー企業に特化したサポートも行っているので、使えるサービスは積極的に使っていきましょう。

3. 買収ターゲットの企業を選定

目的をハッキリさせて資金を確保したら、「どんな会社を買収するのか?」を決めていきます。

ここで重要なのは、事業との相性や市場環境をしっかり分析し、適切なターゲットを選ぶこと。

「とりあえず安く買える会社を探す」というスタンスでは、買収後に大きなトラブルを抱えることになるので要注意です。

 

info

買収する会社を探す際には、M&Aのマッチングサイトを活用したり、M&A仲介サービスに依頼したりすると条件が合致する会社を見つけやすくなります。

▶参考:事業承継・M&Aプラットフォーム TRANBI【トランビ】


業界内でのツテがある場合は知り合いなどを当たってみるのも手ですが、時間がかかるうえにトラブルが発生した際の対処も難しくなります。

専門のサービスを活用して、たくさんの選択肢の中からターゲット企業を見極めることで、買収後の成長に繋がるでしょう。

② 交渉フェーズ:初期交渉と基本合意の締結

次に、売り手とのコミュニケーションが求められる交渉フェーズに入ります。

交渉フェーズでは、初期交渉契約の締結を行い、買収に必要な手続きを進めてくことになります。

4.初期交渉と秘密保持契約(NDA)の締結

売り手企業との初回交渉では、事業内容・財務状況・経営方針などを確認します。

この段階で「売り手が本当に売却を考えているのか」「どのような条件なら合意できるのか」をしっかり見極めることが重要です。

 

そして、情報漏洩を防ぐために秘密保持契約(NDA)を締結し、双方が安心して情報を共有できる環境を整えます。

交渉段階で財務情報や取引先リストの開示を受けるため、もしM&A交渉が破談になった場合でも、情報が漏れないようにします

 

初期交渉では、とにかく相手企業との信頼関係を築くことに重きを置きましょう。

5. 基本合意書(LOI)の締結

初期交渉で双方の意向が一致したら、基本合意書(Letter of Intent:LOI)を作成・締結します。

基本合意書は、M&A交渉を本格化させるための重要な契約です。

ここで買収価格の目安やデューデリジェンスのスケジュールを設定し、独占交渉権を確保します。

info

基本合意書は法的拘束力を持たない場合が多いですが、交渉の方向性を明確にするためには必要な文書です。

この段階で売り手と価格や条件の大枠を決め、正式な交渉に向けて準備を始めていきます。

③ 契約フェーズ:デューデリジェンスと最終契約

交渉フェーズが終われば、いよいよ契約フェーズに移ります。

契約フェーズでは、買収の要となるデューデリジェンス最終契約の締結を行います。

6. デューデリジェンス(企業調査)の実施

基本合意後は、M&Aの手続きの中でもきわめて重要なデューデリジェンス(Due Diligence:DD)を実施します。

対象企業の財務状況、法務リスク、ビジネスモデルなどを詳細に調査し、潜在的なリスクや問題点がないかどうかを徹底的に洗い出しましょう。

  • 財務デューデリジェンス…過去3〜5年の決算書を確認し、簿外負債の有無を調査
  • 法務デューデリジェンス…契約関係や訴訟リスクをチェック
  • 人事デューデリジェンス…従業員の雇用契約や退職予定者を確認

 

過去M&Aに失敗した事例の中には、デューデリジェンスの段階で売り手となる企業が簿外負債があることを隠し、買収後に明らかになったケースもあります。

 

買収後のリスクを最小限に抑えるためにも、専門家に依頼して調査チームを編成し、必要に応じて買収条件の再交渉を検討しましょう。

7. 最終契約(SPA)の締結

デューデリジェンスの結果を踏まえて最終的な買収条件を確定し、表明保証条項を含めた株式売買契約(Share Purchase Agreement:SPA)を締結します。

買収価格・支払い条件・違約条項なども含めて、すべての条件を調整し、正式な契約を結びます。

忘れがちですが、競業避止義務を設定して、売り手が競合会社を作らないようにすることも重要です。

info

基本合意書とは違い、最終契約には法的拘束力があります。

万が一売り手との間でトラブルが生じた場合も、SPAの内容に沿って議論を進めていくことになるので要チェックです。

④ 統合フェーズ:クロージングとPMI(経営統合)

買収後の期間にあたる統合フェーズは、「クロージング」「PMI(経営統合)」の2つの段階に分けられます。

8. クロージング(買収の完了)

SPA締結後、資金の支払いと事業の引渡しを経てクロージングを完了させます。

クロージングをもって法的に買収が完了し、対象企業は買収企業の傘下に入ることになります。
 

株式の移転や許認可の取得など、業種・企業規模によって必要手続きが異なるので、契約締結後も抜かりなく確認しておきましょう。

9. PMI(経営統合)の実施

クロージング後は、Post Merger Integration(PMI)として買収先企業との経営統合を進めます。

組織文化の融合、業務フローの統一、人事制度の調整など、やるべきことは多岐にわたります。

info

PMIにおいて何よりも注視すべきは、従業員の離職を防ぎ、信頼関係を構築することです。

売り手企業の文化を尊重し、労務環境に関する要望にもしっかりと耳を傾けましょう。

業務フローの統合を慎重に進めることで、経営の安定化にも繋がります。

 

以上が会社を買収する手順です。改めてステップをまとめておきましょう。

 

M&Aに必要なリソース

①買収の目的を決める
②資金を準備する
③ターゲット企業を選定
④初期交渉を行い、NDAを締結
⑤基本合意書を締結し、価格交渉を進める
⑥デューデリジェンスでリスクを確認
⑦最終契約を締結し、買収を完了
⑧PMI(経営統合)を進め、事業を安定させる

いずれの段階においても大切なのは、正しい情報収集と入念なリサーチです。

コストを惜しまず専門家にサポートを受け、成功確率を少しでも高めていきましょう!

 

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会社買収(M&A)は、事前準備をしっかり行うことで、スムーズな交渉と成功確率の向上が可能になります。逆に、準備不足のまま進めると、想定外のリスクやトラブルに直面し、買収後の経営がうまくいかなくなる可能性もあります。

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✅ 資金計画のアドバイス – 最適な資金調達方法をご提案
✅ 買収先のリサーチ&マッチング – M&Aマッチングネットワークを活用し、最適な企業を紹介
✅ 交渉サポート&契約支援 – M&Aの専門家が価格交渉から契約締結まで対応
✅ PMI(経営統合)支援 – 買収後の経営安定化と成長をサポート

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会社を買収する5つのメリット

会社を買収する5つのメリット

ここからは、会社を買収することで経営面においてどのようなメリットがあるのか、一つひとつ解説していきます。

特に期待できるのは、以下の5つのポイントです。

  • 1. 事業のスピード成長が可能
  • 2. 競争力の強化(シナジー効果の発揮)
  • 3. 既存の顧客・販売チャネルをそのまま活用できる
  • 4. 優秀な人材や技術を確保できる
  • 5. コスト削減と業務効率化

ご自身の経営ビジョンと照らし合わせながら、買収が今後の戦略として有用なものになるかどうかご検討ください。

1. 事業のスピード成長が可能

会社を買収すると、既に確立された事業を引き継ぐことになるため、ゼロから事業を立ち上げるよりも時間とコストを大幅に削減できます。

買収企業の売上・顧客基盤・ブランド力を一気に獲得でき、短期間で市場参入ができるうえに、うまくいけばシェア拡大もスピーディーに実現するでしょう。

info

新規市場に参入したい場合は、すでに実績のある企業を買収すればゼロから市場開拓をする必要がなくなります

また、新しい技術や製品を手に入れたい場合も、買収をすれば研究開発の時間とコストを省略して一気に技術を取得できます

2. 競争力の強化(シナジー効果の発揮)

同業種の企業を買収することで競争力を拡大し、市場シェアを拡大していけるのも買収の大きなメリットです。

同業者同士でタッグを組むのはもちろん、関連業種の企業を買収することで事業の多角化を図るという戦略もあります

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例①:IT企業がシステム開発会社を買収
⇒自社の技術力をさらに向上させ、競争優位を確立

 

例②:メーカー(製造)が販売会社を買収
⇒販売ネットワークを活用して、収益性アップ

 

買収側・売却側双方の強みを掛け合わせて、新しい成果を生み出すことを「シナジー効果」といいます。


互いに、自社の人材・技術だけではなし得なかったことを達成できるため、コスト削減・業務効率化の面からみても買収は利益が大きいと言えるでしょう。

3. 既存の顧客・販売チャネルをそのまま活用できる

どんな業種であってもゼロから新規顧客を獲得するのは時間がかかりますが、会社を買収すれば既存顧客や販路を活用して、すぐに顧客基盤を得られます。

買収企業の営業力を活かして自社商品の販売ルートを拡大したり、リピーターを自社に取り込んだりすることも可能です。

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例①:EC企業がリアル店舗を持つ企業を買収
⇒オンラインとオフラインの相乗効果を生み出す
 

例②:食品メーカーがスーパーを買収
⇒直販ルートを確保し、利益率アップへ

4. 優秀な人材や技術を確保できる

顧客だけでなく、従業員をそのまま引き継ぎ事業に取り込めるのも、買収の大きなメリットです。

わざわざ人事担当を割り当てて採用活動をするよりも、経験豊富な経営陣や専門技術者をそのまま雇うほうが、育成にかかるコストも時間も最小限で済みます

 

即戦力を確保できるだけでなく、たとえばITに強い人材が揃う会社を買収することで、業務のデジタル化を進めたりすることも可能です。

特許技術を有している企業と合併したり、高性能な設備が揃っている会社を買収したりできれば、かなりの利益が見込めるでしょう。

5. コスト削減と業務効率化

「買収=お金がかかる」というイメージが強いかと思われますが、実は統合が上手くいくと無駄なコストの削減に繋がり、利益率アップにつながることもあります。

ポイントは共通の業務を統合することで購買力を強化し、原材料や仕入れコストを削減すること。

同じ業界の2社を合併させることで人件費を削減でき、今まで時間がかかっていた業務にも効率的に取り掛かれるようになります。
 

一人前の料理を毎回作るよりも、たくさんの具材をまとめて使って料理したほうが効率的で節約できるのと同じようなイメージですね。

 

以上のように、会社の買収には経営面・コスト面ともにたくさんのメリットが見込まれることが分かったかと思います。

 

会社を買収するメリット:まとめ

事業のスピード成長が可能
 ⇒ゼロから立ち上げるよりも時間とコストを削減
競争力の強化(シナジー効果の発揮)
 ⇒業務効率化や市場シェア拡大が可能
既存の顧客・販売チャネルをそのまま活用できる
 ⇒顧客基盤を引き継ぎ、事業拡大が容易に
優秀な人材や技術を確保できる
 ⇒採用や育成の手間をかけずに、即戦力を獲得
コスト削減と業務効率化
 ⇒統合によるコスト削減の結果、利益率が向上


成長戦略の一環として適切な企業を選び、経営統合(PMI)を慎重に進めて事業の発展につなげていきましょう!

会社買収がマイナスに働くケースとは?リスクと回避策を解説!

会社買収がマイナスに働くケースとは?リスクと回避策を解説!

買収のメリットが分かったところで、今度は注意すべきポイントとリスク回避のための対策について解説していきます。

会社を買収する際に、特にトラブルとして気を付けたい可能性は以下の5つです。

  • 1. 買収価格が高すぎる(過大評価)
  • 2. 隠れた負債や法的リスクを見落とす
  • 3. 企業文化の違いによる組織崩壊
  • 4. 主要取引先や顧客が離脱する
  • 5. 買収後の経営統合(PMI)が失敗するリスク

いずれも、有名企業でさえ経験したことがある事例ばかりですので、ケーススタディとして確認しておきましょう。

1. 買収価格が高すぎる(過大評価)

企業価値を過大評価して高すぎる価格で買収すると、経営が圧迫されたり、回収に長い時間がかかったりすることがあります。

業績が想定より悪化するとM&Aの投資が負担になってしまうので、買収後のリスクを考慮し、支払い方法(分割払い・アーンアウトなど)を工夫するのがポイントです。

適正な企業価値評価(バリュエーション)を行い、将来の収益見込みを慎重に分析しながら、投資回収期間を予め計算しておきましょう
 

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実例として、アメリカYahoo!が1999年にGeoCitiesを約35億ドルで買収した際には、期待したシナジーを生み出せず2009年に閉鎖したことがあります。
結果的に、買収額を回収できませんでした。

▶参考:日経クロステック | 米ヤフー,GeoCitiesを年内に終了へ–個人ホームページ時代の終焉とともに

2. 隠れた負債や法的リスクを見落とす

買収時の価格だけではなく、買収後のその先の負債リスク等もしっかりと調べておかないと、将来想定外のコストや訴訟トラブルに巻き込まれる可能性があります。

未公開の借金や従業員の未払い給与、契約トラブルなどが後で発覚するケースもあるので、買収前にしっかりとデューデリジェンス(財務・法務の調査)を行いましょう。

 

回避するためには、買収前に専門家(公認会計士・弁護士)に依頼をして、財務・法務のリスクを徹底的に調査してもらうことをおすすめします。

表明保証条項(売り手が情報の正確性を保証する契約)を定めておくこともお忘れなく!

3. 企業文化の違いによる組織崩壊

買収後のトラブルで特に多いのが、売却側の従業員のモチベーションが低下し、退職が相次ぐケースです。

買収企業の経営方針や経営スタイルが大きく異なると、組織の統合が上手くいかなかったり、従業員が適応しきれず離職したりするリスクが高くなります。

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実例として、1998年にダイムラー・クライスラーが合併した際には、ドイツとアメリカの企業文化の違いにより統合が失敗。2007年に分離しました。

事前に回避策を打つとすれば、PMI(経営統合)の専門チームを設置し、買収前に企業文化や経営スタイルをしっかりと分析したうえで計画を慎重に進めることです。

従業員説明会を実施し、質疑応答の場を設けることで、買収・統合に対する不安を解消しておくことが求められます。

4. 主要取引先や顧客が離脱する

従業員が離職するリスクと同様に、それまで懇意にしていた取引先が買収を機に契約解除を申し出ることもあります。

「前の経営者さんとは昔ながらの関係だったのに」「新しい経営体制は信用できない」といった理由で、同業他社に乗り換えられるケースも少なくありません。

買収直後の時期は、一時的に売上が下がってしまう可能性があることも覚悟しておきましょう

 

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そのうえで、買収前に必ず主要取引先の意向を確認しておき、契約を継続できるよう交渉することも書かせません。

ブランドや経営体制の変更が事業に影響を与えないよう、移行期間を長めに設けるなどして、段階的な統合を進めるよう心がけましょう。

  


買収をするとなると、既存顧客は良くも悪くも期待をします。

もし買収の影響でサービスや製品の品質が低下するようなことがあれば、満足度が下がって顧客が離れてしまう可能性もあるので要注意です。

5. 買収後の経営統合(PMI)が失敗

従業員や顧客からの理解を得られたとしても、単純に統合計画が不十分で、結果的に業績が低迷してしまうケースもあります。

従業員の役割が不明確になり、チームワークが崩壊してしまっては元も子もありません。

買収前にPMI(Post Merger Integration)計画を策定し、買収企業の管理職と継続的なコミュニケーションを図りながら、組織を一体化するよう意識的に取り組む必要があります。

 

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実例として、ソニーと米映画スタジオColumbia Picturesが1989年に合併した際には、経営統合が円滑に進まず業績が低迷した時期がありました。

▶参考:プレジデントオンライン | ソニーの歴史で最大のミステリー…6700億円を投じて「コロンビア映画」を買収した本当の理由

会社を買収するにはどうすれば良い?よくある質問をまとめました!

会社を買収するにはどうすれば良い?よくある質問をまとめました!

個人・法人を問わず、会社の買収は適切な手順を踏むことで成功に近づけます。

以下に、買収に際してよくある質問とその回答をまとめましたので、気になる情報がある方はぜひチェックしてみてください。

Q.会社は個人で買収できるのでしょうか?簡単な流れが知りたいです。

個人でも会社の買収は可能です。

流れとしては、まず買収の目的を明確にし、業種や規模を検討したのち、M&A仲介会社やマッチングサイトを通じて希望条件に合う企業を探します。

候補企業が見つかったら初期交渉を行い、デューデリジェンス(詳細調査)を実施して、問題がなければ最終契約の締結、という順番です。

info

基本的な流れは本記事で紹介した内容と同じですが、個人で買収をする際は専門家に相談するという選択肢も考慮に入れましょう

 

個人で会社を買う際の具体的な手順については、以下の記事で詳しく解説しているので併せてチェックしてみてください。

▶参考:後継者のいない会社を個人で買う際の完全ガイド。デメリットや流れを徹底解説しました!

Q.小規模な会社はどれくらいの資金で買収できますか?

小規模な会社の買収価格は、主に売上規模利益額に基づいて決まります。

売上規模利益(EBITDA)買収価格の目安
〜1,000万円〜100万円100万〜500万円
1,000万〜5,000万円 100万〜500万円 500万〜2,000万円
5,000万〜1億円500万〜1,000万円2,000万〜5,000万円
※あくまで目安です

中でも低価格で買収しやすい会社の特徴としては、

  • 小規模な飲食店
  • 個人経営の工務店
  • 地元の専門店
  • 赤字・業績不振の会社(ターンアラウンド案件)

などが挙げられ、後継者不足で早期売却を希望している会社の中には、およそ300万円〜1,000万円の資金で買えるものもあります

 

ただし安ければ良いというものでもなく、再建の難易度が高い場合があるので注意が必要です

いわゆる「のれん分け」や事業譲渡の形で売却されるケースもあります。

Q.会社買収の相場っていくらくらいですか?

中小企業の場合、年商の1~3倍が目安とされることが多いですが、これはあくまで一般的な指標です。

実際の相場は、企業の規模・業種・業績・資産状況などによって大きく異なります。

また、買収に伴うデューデリジェンス費用や仲介手数料などの関連費用も考慮しなければなりません。

 

正確な評価を行うためにも、専門家による企業価値評価(バリュエーション)が必須とされているのです。

Q.会社の買収を検討しているのですが、後継者がいない会社を買うデメリットはありますか?

後継者不在の会社を買収すると、現経営者のノウハウや人脈が失われる可能性があり、事業運営に支障をきたすリスクがあります。

規模の小さい企業やお店は人柄を重視する傾向があるため、買収をすることで従業員や取引先が不安を抱き、離職や取引停止を申し出る可能性も考慮しなければなりません

また、業界特有の知識や会社独自の技術が求められる場合、後任が育つまで時間がかかる可能性もあります。

info

これらのリスクを最小限に抑えるためには、「現経営者からの引き継ぎ期間を設ける」「従業員や取引先とのコミュニケーションを密にする」などの対策が必要でしょう。

Q.買収された会社はどうなる?

会社が買収されると、組織や経営方針に変化が生じることがあります。

経営陣が交代することで人事制度が変わったり、買収元企業の方針に合わせて従業員の業務フローの見直しが行われたりすることもあります。

 

ただし、実際のところは買収の目的や規模感によって異なるので、必ずしも大きな変革が起こるとは限りません。

「子会社化したけれど、業務内容も環境も特に何も変わっていない」というケースも多々あります。

従業員や取引先の不安を和らげるためには、買収後のビジョンや方針を明確に伝え、円滑ながらも慎重に統合を進めるよう心がけましょう。

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